市指定有形文化財 平岩・矢萩両家住宅(旧平岩・水飼両家住宅)

- 名称
- 平岩・矢萩両家住宅(旧平岩・水飼両家住宅)
- よみ
- ひらいわ・やはぎりょうけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 1棟
- 所在地
- 幸町7-5
- 指定年月日
-
昭和56年12月25日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
- この建物は、糸繭製茶煙草問屋を営んでいた正木屋大川喜兵衛が建てたもので、現在二軒に分かれて使用されているが、もともとは間口5間の一軒家だった。建築年代は、棟札から明治26年(1893)5月25日に棟上げされたことがわかっており、大火後の早い時期に建てられた町家である。
外観は、切妻造桟瓦葺2階建で、屋根は箱棟、影盛、鬼瓦の重厚な構えとなっているが、軒回りや窓などは塗籠めず、木部を露出させている。2階開口部も両端に半間分の戸袋を設け、その間の4間分に格子がはめ込まれていた痕跡があることから、いわゆる真壁造の町家と変わりがない。しかし、両側面の妻側だけは土蔵壁で塗籠めていることから、最低限の防火対策が採られている。
1階の間取りは、それぞれが店舗として改造され、当初の様子は不明であるが、かつて間口5間の広い「みせ」の南側壁沿いに半間幅の「通り土間」があったことが聞き取りからわかっている。また、店舗と住居部分は、L字0型に一体化したタイプで、土蔵造町家で多く採用された店舗・住居分離+外路地タイプが普及する前の形式を採っていることがわかる。
以上のように、当家の建物は、大きな棟と重厚な瓦屋根をもち、一見土蔵造風の町家に見せて蔵造りの町並み景観を形成しているが、実際には大火以前の伝統的な町家形式を継承する特異な遺構として注目できる。
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