市指定有形文化財 幸町宮岡家文書
- 名称
-
幸町宮岡家文書
- よみ
- さいわいちょうみやおかけもんじょ
- 種別
- 市指定有形文化財 書跡・典籍・古文書
- 員数
- 2459点
- 所在地
- 個人所有
- 指定年月日
-
昭和50年6月9日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
-
宮岡家は、屋号「町屋勘右衛門」(町勘(まちかん))を名乗り、旧南町で金物商を営む老舗である。
近世川越城下の十組問屋仲間(とくみどいやなかま)では、五番組釘鉄銅物打物砥石仲間に属する。年番で行司を務めたことで、嘉永7年(1854)の「仲間議定連印帳」がのこっている。株仲間が再興された時のもので、他家に唯一のこる「十組連印帳」5冊には、五番組の連名部分が欠損しており、これを補い十組全体を知ることができる史料としてもたいへん貴重なものである。
「仲間議定連印帳」は、金物仲間の議定内容となっており、公儀御法度の遵守、御家中御用優先、他所商人と正路に取引、船積荷物は箱崎町江戸荷物積問屋川越屋勘兵衛(高沢町井上勘兵衛の出店)へ出す、鍛冶職の仲間外への小売・糶(せり)売の禁止、寸法・目方等の品質の保持、取引値段の厳正、新規懸売(かけうり)の禁止、違背者への罰則等を定めている。連名の金物商は35名で、これを更に1番組(専業者)24名、2番組(兼業者)21名に分けている。行司は毎年2名ずつ交替であった。
宮岡家では、幕末から明治期にわたる多数の商用文書類を保有しており、商いにおける値段帳・店卸帳・金銭出納帳・金銀判取帳等の帳簿類をはじめ、注文・取引関係の書状類が特に明治期において大量かつ多様にわたって残存している。仕入れ・販売ともに、取引先は広範囲に及ぶ。金物商として鍋・釜・竈(かまど)から釘・金網・トタン板に至るまで、幅広く販売しており、衡器(こうき)も取り扱っていた。
また、6代目勘次郎は、「茂枝(しげえ)」・「白翁(はくおう)」の号で和歌をよくし、江戸や近在・町内の人々との和歌・俳諧の交流がうかがえる美麗な短冊200点余がのこっており、文人としての活躍ぶりを物語る好史料といえよう。
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