市指定有形文化財 松本家住宅

- 名称
- 松本家住宅
- よみ
- まつもとけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 1棟
- 所在地
- 仲町10-13
- 指定年月日
-
昭和56年12月25日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
-
この建物がある敷地は、かつて川越藩御用商人として藩財政に貢献した横田五郎兵衛の蔵屋敷跡である。明治22年(1889)に松本家初代の新次郎が横田家の分家である横田屋醤油店から広大な土地と建物を買い取り、醤油製造業を受け継いだ。
敷地内には、店蔵、塩蔵、文庫蔵、味噌蔵、醤油の仕込み蔵などの土蔵が建ち並び、ほとんどが江戸時代末期頃の建築だったと考えられる。店蔵の建築年代を明らかにする資料はないが、『武州川越横田家文書』の中に、横田家が醤油蔵を普請するにあたり、隣接する鴉からす山やま稲荷神社の土地を借用することを鴫町(現仲町)の惣代に許可を受けた文政13年(1830)の書き付けが残っていることから、その後まもなく醤油蔵が建設されたものと推定できる。
店蔵も、外観が醤油蔵と同じように白漆喰の外壁で装飾性も少なく、窓の形式が明治時代に多用された観音開窓を採用せず、内側の片引きの土戸を入れるだけの古式な形式を採用していることから、江戸末期の建築と推定できる。店蔵1階の間取りは、家相図によると、当初畳敷だった帳場を含む「見世」と製品や材料を貯蔵していた「土蔵」の二つの部分で構成され、北と西には葺き下ろし屋根の建物が添えられていた。なお、店蔵の南側壁が極端に厚くなっているのは、かつて梁行3間半、桁行4間の土蔵が店蔵の南側に寄り添って建っていた名残りである。
以上のように、当家は、明治大火以前の町家形式を現在まで伝えてくれる貴重な遺構といえる。
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