市指定有形文化財 岡家住宅

- 名称
- 岡家住宅
- よみ
- おかけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 2棟
- 所在地
- 元町1-15-5
- 指定年月日
-
昭和63年6月6日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
-
この建物を建てた岡家は、明治初年に酒屋を営み、明治末期には和洋酒の卸問屋として繁栄を得た商家である。現在の建物は全体で間口7間の規模をもち、北側の2階建土蔵造と南側の1階下屋部分が洋風ショーウィンドーで2階が土蔵造という和洋折衷式建物の2棟で構成されている。
建築年代は、北側に位置する店蔵と住居部分が一体化した建物は、棟札により明治34年(1901)11月15日で、南側の建物は大正11年(1922)に板葺町家だったものを取り壊して北側の店蔵にあわせて建てたとされている。
北側の主屋は、2階建間口3.5間奥行7間の店舗と住居部分が一体化した間取りで、外観は他の土蔵造町家と比べて控え目である。なお、現状では1階部分の開口部を一部出窓としてガラス戸の出入口だけになっているが、当初からの形式とは異なっている。
南側の建物は、1階は主屋との間を通る「馬通し土間」と呼ばれる中央通路を北側に配し、そこに向けて開放された平面構成となっており、道路側の間口2間奥行1間半の下屋空間をショーウィンドーとして用いている。1階外観にみられる立面構成は、御影石を使用して西洋古典主義建築のピラスター(付柱)、柱頭、エンタブラチュアを想起させようとしたものであり、時代の流行に合わせて挑戦しようとした当時の職人の意欲がうかがわれる。一歩後退して建っている2階建土蔵は、他の店蔵のような軒先を出桁蛇腹を採用せず、2階窓も1枚ガラス戸をはめ込んだだけの簡素な蔵造りとなっており、1階の洋風建築の諸要素を組み入れた斬新な外観と比べて対照的である。
以上のように、この建物は明治から大正にかけて土蔵造町家が近代化へ向けて変遷している様子を示す貴重な建築遺構であり、明治時代の店蔵を基本とし、大正建築の洋風意匠を取り入れて折衷させた外観が特徴的である。
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