市指定有形文化財 山下家住宅

- 名称
- 山下家住宅
- よみ
- やましたけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 2棟
- 所在地
- 仲町10-9
- 指定年月日
-
昭和63年1月29日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
-
山下家は、かつて周辺農村から綿布を買い取り、呉服商へ卸す綿布織物問屋を営んでいた商家で、屋号を「入山半(いりやまはん)」と号した。生業の最盛期は大正期から昭和期にかけてであり、その後は店を閉め現在に至っている。現在の建物は、山下家が明治26年(1893)の大火後に譲り受けたもので、それ以前は『鴫町地籍図』から神田岩吉が居住していたと考えられる。
主屋の建築年代は、明確な資料はないが、背後の内蔵の牛梁に安政4年(1857)の墨書があり、主屋も江戸時代末期から明治初期にかけて建てられたと推定される。建物の配置は、店と住居部分が一体型の主屋と中庭を挟んで渡り廊下で繋がる内蔵の二つの部分から成り、裏庭へは外路地を経て行く形式だったと考えられる。店の間取りは、揚戸構が上屋筋に入り、下屋空間が土間となる前土間形式が採られているが、揚戸の痕跡から店の東側にも8畳大の土間があったことがわかる。
店蔵の外観は、軽快な屋根と白漆喰の壁面、そして2階前面に穿たれた二つの窓が特徴的である。熨斗積みの低い大棟と両端に設けられた鬼瓦と影盛は、土蔵造町家とは異なる控え目なものであり、軒先も軒板を張って白漆喰で塗籠める簡素な形式である。2階の窓は、枠取りを一段壁面より浮き上げて黒漆喰で塗り、壁面の白との対比を強調するなど、独特の形式である。これらは、大火以前の塗家造町家の特徴を示しており、大火の被害を受けず焼け残った貴重な町家である。山下家住宅の内蔵は、牛梁に「安政四年歳在丁巳皐月穀旦上棟」の墨書がある。外観は切妻造桟瓦葺屋根の2階建で、戸口は主屋の渡り廊下を経て入るので、妻入である。間口2.5間奥行3間の土蔵には、現在下屋が北側に付設されているが、創建当初にはなかった。
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