市指定有形文化財 小谷野家住宅

- 名称
- 小谷野家住宅
- よみ
- こやのけじゅうたく
- 種別
- 市指定有形文化財 建造物
- 員数
- 1棟
- 所在地
- 幸町7-4
- 指定年月日
-
昭和56年12月25日
- 所有者
- 個人
- 文化財の概要
- この建物は、約3年の歳月をかけて「時の鐘」を手がけた大工棟梁関根松五郎などによって明治28年(1895)5月23日に建てられた土蔵造町家で、建築当初は高山仁兵衛が太物商卸問屋山仁商店を営んでいた。その後昭和23年(1948)に小谷野恒太郎が譲り受け、「深善(ふかぜん)」を屋号とした美術表具店となる。
外観は、切妻造桟瓦葺平入の一般的町家の形式を踏襲しているが、川越の蔵造りとしては特異なタイプである。他の蔵造りと同じように1階、2階の軒回りを塗籠めて火災の延焼を防ぐ工夫がなされているが、2階窓はガラス戸の引き違いになっている。痕跡から当初は銅板を巻いた格子窓だったことがわかっており、一応防火への配慮がなされているが、従来の閉鎖的な観音開窓とは異なっている。これは、2階座敷を明るく、開放的な部屋として使用するためであり、明治26年の大火から時間が経つにつれて、防火への配慮が薄れて居住性を優先する傾向に変化していることを示している。その一方で下屋の両袖には防火用の袖壁が立ち、火災時の火の廻り込みを防ぐ配慮も行なっている。
間取りは、店舗と住居部分がL字型に一体化し、2階は8畳2間、10畳2間の4室からなり、かつては客間として使用されていた。
以上のように、小谷野家住宅は、防火性重視の土蔵造町家が徐々に居住性を求めて変化する移行過程を示す建築遺構として貴重である。
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