市指定有形文化財 松井松平家伝来葵紋大旗 附 大旗地裂並縫糸三点
名称 |
松井松平家伝来葵紋大旗 附 大旗地裂並縫糸三点 |
よみ |
まついまつだいらけでんらいあおいもんおおはた |
種別 |
市指定有形文化財 歴史資料 |
員数 |
3旒 |
所在地 |
郭町2-30-1 川越市立博物館 |
指定年月日 |
平成27年3月25日 |
所有者 |
光西寺 |
文化財の概要 |
葵紋大旗とは、松平周防守家(すおうのかみ)ゆかりの光西寺に伝来した旗のこと。 旗地は、白平絹地で強度を保つ碁盤刺(ごばんざし)を施し、中央に丸に三葉葵紋を朱色で描いている。図様は、葉脈(ようみゃく)が繊細で、茎の向きが不規則な形状を示し、葵紋が定形化する以前に制作されたと考えられる。古様で凜々しい葵紋の大旗である。 『松平家譜』には、天正10年(1582)9月、松平家初代康親(やすちか)(1521から1583)が駿河国東部地方での北条氏との戦の功績により、徳川家康から下賜された葵紋大旗の記述があり、形状・図柄などが本資料と類似する。 また、他2旒(りゅう)はこの大旗の影(写し)として、江戸期に制作されたものと思われる。大旗の現存例は、大名家自身を示す数旒は見られるが、家康拝領の葵紋大旗は他の譜代大名の伝来品には確認できない。これは、徳川家と松平周防守家の強い主従関係を象徴し、松平周防守家の家柄の高さを示す貴重な歴史資料である。 附の大旗地裂並縫糸の3点は、光西寺文書の中にあったもの。包紙には「ねり御旗地切レ 古キ御旗地切レ」とあり、傷んだ原本の共裂と原本の修理に使用した新調の旗の共裂と白絹糸が収められており、当初の大旗を大切に保存してきたことがわかる貴重な資料である。 |