
大沢家住宅
名称 |
大沢家住宅 |
よみ |
おおさわけじゅうたく |
種別 |
国指定重要文化財・建造物 |
員数 |
1棟 |
所在地 |
元町1-15-2 |
指定年月日 |
昭和46年6月22日 |
所有者 |
個人 |
文化財の概要 |
この建物は、寛政4年(1792)呉服太物を商っていた西村半右衛門(近江屋)が建てたもので、明治26年の川越大火の時も焼け残り、川越商人に蔵造りを建てさせるきっかけになった建物の一つである。間口6間、奥行4間と大きな店である。切妻造り平入り、桟瓦葺で1階前面に4尺の下屋庇を出す。元は、南側にも下屋が回り奥へ続いていたが現在は他の家への通路になっている。 1階は、1室の大きな部屋で、前面を土間叩き、背面および両側面の3方が半間の板敷きで残りは31畳の畳敷きとなっている。正面の3間に神棚が設けられており、他に例を見ない規模である。2階は、棟通りで2つに分かれ、道路側は14畳の広間と南室の2室があり、反対側は3室に分かれている。 外側の特色は、カゲ盛が明治の大火以後の厚く重々しい物に比べ非常に薄く板状になっていること、比較的小振りな棟などである。また、軒は出桁造りにはなっているが、出桁を、大火後は3尺毎の腕木で支えているのに対し、梁を4尺毎に出して直接受けている。さらに軒蛇腹もなく出が少ない。特に、2階正面の窓は川越では唯一土格子になっている。外壁は当初は不明であるが、正面2階と背後の扉回りを黒漆喰仕上げとする大火直後の姿になっている。下屋は、中央間が開放で、左右の脇間は腰壁が入っている。1階の戸締りは、上屋筋で揚戸によって行い、火事の際には幅2尺の土戸を外側にはめ込むようになっている。 当家は、土蔵造りが定型化する以前の様式を伝えるもので、関東地方の町屋でも古い方に数えられる貴重な建物である。 |