河越館跡(史跡整備第8次)
河越館跡史跡整備(第8次)について

所在地
川越市大字上戸198ほか
調査期間
平成15年10月から16年3月末
調査面積
1,500平行メートル
調査の概要
河越館跡は、平安時代の末から南北朝時代にかけて坂東で大きな勢力を誇った在地領主の河越氏の居館跡である。昭和59年に国指定史跡となり、現在史跡公園として整備するための発掘調査等を実施している。
史跡整備のための調査としては、8次調査となり、現在の常楽寺の北側を調査対象範囲とした。
調査の結果、鎌倉時代後半から南北朝時代頃の一辺約50m(約半町)規模の方形区画が確認できた。また、この区画内の北西部に一辺7mの方形区画が検出された。後者の区画は、仏堂ないし墳墓と推定されている。14世紀後半から15世紀後葉までの中世常楽寺の時期の遺構として井戸側を残す井戸跡が見つかっている。調査区内を縦横に展開する規模の大きな堀跡は、多くが15世紀末から16世紀初頭に山内上杉氏が対扇谷上杉として構えた上戸の陣所時代頃の堀跡と判断できる。
遺物としては、当時のステイタスシンボルとされる古瀬戸鉄釉の袋物や龍文をあしらった中国の元の時代頃の青磁袋物の破片が出土していることが注目される。
また、天文年間の板碑の出土は、館跡内では初めてであり、上戸の陣所以降の歴史的変遷を知る上で貴重である。

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