県指定記念物 暦応の古碑

- 名称
-
暦応の古碑
- よみ
- りゃくおうのこひ
- 種別
- 県指定記念物 史跡
- 員数
- 1基
- 所在地
- 小仙波町1-20-1(喜多院)
- 指定年月日
-
昭和29年10月23日
- 所有者
- 喜多院
- 文化財の概要
- 川越における最も代表的な板碑は、喜多院開山堂墓地内(現慈眼堂(じげんどう)西側に当たる地)に立つ「暦応の古碑」である。この板碑は、仏蔵院(ぶつぞういん)(のちの北院)二世の寛海法印と心聡法印が中心となって先師の追善(ついぜん)と自らの逆修(ぎゃくしゅう)のため暦応5年(1342)に造立された。
高さ232センチメートル、最大幅61.5センチメートル、厚さ7センチメートルを測る。碑面下部に若干剥離(はくり)箇所が認められるが、端正に刻まれた阿弥陀種子(あみだしゅじ)と連座(れんざ)、碑全体の美しさに加え、世尊寺流(せそんじりゅう)で記された銘文の見事さで、江戸期の地誌類に取り上げられるなど早くから注目されていた。
碑面に記された交名(きょうみょう)は、全52名(剥離箇所2名分を含む)で、すべて法名(ほうみょう)である。碑面上部中央に「過去」と記し、9名の法名が刻まれている。これは、板碑造立の時、既に没して追善の対象となった人々で、なかに仏地院仏蔵院を建立した尊海(そんかい)の名が見える。「現在」以下の43名は、この板碑造立に結衆(けつしゅ)した人々で、当院北院に住した僧尼たちであったと思われる。交名中、多くの禅尼(ぜんに)の名を記しているのが目を引くが、「広く女人に門戸を開くべし」とする尊海の思想を物語るものとして、特に注目される。
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