ウエルシュ菌
最終更新日:2022年6月28日
ウエルシュ菌とは
ウエルシュ菌は、芽胞を形成する嫌気性の細菌で、ヒトや動物の腸管内、土壌、下水、食品又は塵埃等自然界に広く分布しています。
自然界に分布するウエルシュ菌は、易熱性芽胞(100℃ 数分で死滅)を形成するものが多いですが、食中毒は主に耐熱性(100℃ 1から6時間でも生存)を形成する菌によって引き起こされています。
ウエルシュ菌の産生する毒素(エンテロトキシン)は熱に弱く、加熱(60℃ 10分)で容易に不活化されます。
原因(媒介)食品
ウエルシュ菌食中毒の原因食品としては、カレー、シチュー、およびパーティー・旅館での複合調理食品によるものが多く、特に食肉、魚介類および野菜類を使用した煮物や大量調理食品で多くみられます。これらの食品中で、
- 加熱調理により共存細菌の多くは死滅するが耐熱性ウエルシュ菌芽胞のみが残存すること
- 加熱により芽胞の発芽が促進されること
- 加熱により食品内に含まれる酸素が追い出されること
- 緩慢に冷却すると急速に増殖すること(55℃くらいから)
これらの過程を経ることで菌が増殖します。
症状
6から18時間(平均10時間)の潜伏期間の後、主に腹痛と下痢等の症状を起こしますが、発熱や嘔吐はほとんどみられません。ほとんどの場合、発症後1から2日で回復するとされていますが、基礎疾患のある患者、特に子供や高齢者ではまれに重症化することが知られています。
予防方法
耐熱性芽胞は100℃で1から6時間の加熱に耐えると考えられています。したがって、通常の加熱調理では食品中のウエルシュ菌芽胞を死滅させることはできないと考えられます。
ウエルシュ菌は自然界の常在菌であるため、食品への汚染を根絶することは不可能ですが、発症には多くの菌量が必要とされているため、
- 加熱殺菌(再加熱(温め直しなど)で発芽細菌を殺菌する、毒素を不活化する)
- 増殖阻止(調理後速やかに喫食する、小分けと10℃以下又は55℃以上の温度で保存する)
これらが予防のための最も有効な手段となります。
関連情報
ウエルシュ菌食中毒(食品安全委員会ファクトシート)(外部サイト)
お問い合わせ
保健医療部 食品・環境衛生課 食品衛生担当(川越市保健所内)
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