第5回:武州製薬株式会社(元気もりもり企業訪問記)

ページID1020973  更新日 2026年5月22日

印刷大きな文字で印刷

森田市長による企業訪問事業「元気もりもり企業訪問記」、第5回の訪問先は武州製薬株式会社です。

令和8年4月9日(木曜日)に川越市竹野にある本社・川越工場を訪問し、髙野 忠雄(たかの ただお)代表取締役社長をはじめ、社員の方々から同社が手掛ける事業に関するお話を伺ってきました。以下、訪問の詳細をご紹介します。

訪問企業の概要

武州製薬株式会社について

武州製薬は、医薬品や治験薬の受託製造・開発(CDMO)を専業としている企業です。「世界のヘルスケア産業の発展と人々の健康のために」をミッションとし、以下の「5つの約束」を掲げてすべてのステークホルダーと連携・協力関係を築きながら、人々の健康や生命に直結する医薬品製造・開発事業を担い、広く社会に貢献しています。

武州製薬株式会社の5つの約束である「存在価値」「生産」「社会的責任」「企業文化」「製品と業務の品質」を表すイメージ画像。
武州製薬株式会社の「5つの約束」のイメージ
「存在価値」「生産」「社会的責任」「企業文化」「製品と業務の品質」
(資料提供:武州製薬株式会社)

サンド薬品株式会社の埼玉工場(同社の前身)として1981年に稼働した頃から川越市竹野に立地し、その後、武州製薬株式会社としては1998年の設立以降約27年間にわたり操業されています。これは医薬品受託製造を専業とする国内企業としては最長とのこと。同社は医薬品の受託製造というビジネスモデルを確立した草分け的存在として知られています。
また、国内のCMO・CDMO企業が集まり2010年に設立された「日本CMO協会」という業界団体が存在し、現在その会長を務めているのが髙野社長です(2026年4月時点)。同協会は、2026年4月現在では87社もの会員企業により構成され、国内医薬品の安定供給と日本の医薬品製造の国際的競争力強化に向けて取り組んでいます。

このように、同社は地域を超えてリーダーシップを発揮しています。

製薬業界におけるCDMO

ここで、CDMO(医薬品開発製造受託機関、Contract Development and Manufacturing Organization)についてお話します。

製薬業界では業界再編が進み、製造を外部に委託する「水平分業化」が進展しています。近年では、低分子医薬品(錠剤やカプセル等の一般的な経口投与の薬)に代わりバイオ医薬品の需要が高まっています。

医薬品ボトルと錠剤、カプセル剤のイラスト画像

バイオ医薬品(がん治療に使用される抗体医薬品やワクチンなど)は、開発・製造・管理にあたり高度な専門知識、技術、設備が求められることから、製薬企業は効率化やリスク分散を図るために行程の一端を外部委託し、自身は創薬に注力する傾向があります。
この流れの中で、武州製薬株式会社のようなCDMOが存在感を高めています。CDMOは、製薬企業がこれまで自社で行っていた医薬品が市場に投入されるまでの行程を専門的に請け負うことでサプライチェーンの一翼を担い、合理化、迅速化、コスト削減に貢献しながら、国内の安定供給体制を支えています。
CDMO市場は急速に拡大しており、グローバルな需要と関連産業との連携を通じて今後の成長が期待されている産業の一つです。このような背景から、日本政府も国内におけるバイオ医薬品等の製造体制強化を目指して国内CDMOの支援を進めています。

本社・川越工場を訪問

本社では、髙野社長のほか取締役副社長の森川哲也(もりかわてつや)様、専務執行役員の山口奈穂(やまぐちなほ)様、執行役員・川越工場長の新井孝(あらいたかし)様が出迎えてくださりました。冒頭で森田市長から日頃からの地域へのご貢献に対する感謝のことばを述べた後、同社の事業内容に関するお話を伺いました。

挨拶を述べる森田市長(左)と武州製薬株式会社の皆様(右)の写真
左:冒頭で挨拶を述べる森田市長(写真左)
右:武州製薬株式会社の皆様

同社は、医薬品の受託製造事業に長期間取り組み、世界主要国のGMP(適正製造規範)認証を取得し、累計100社を超える企業と取引し、輸出国も56ヵ国にのぼる、という数々の実績を誇っています。さらに、医薬品や治験薬の開発段階からパッケージングの行程までを一貫して受託可能な体制を敷いています。

本社・川越工場の外観写真
本社・川越工場の外観
(資料提供:武州製薬株式会社)

今回訪問した川越工場の他に、埼玉県内を中心に、美里工場(埼玉県児玉郡美里町)、会津工場(福島県会津若松市)、加須パッケージングセンター(埼玉県加須市)、草加パッケージングセンター(埼玉県草加市)の4つの製造拠点を保有しています。それぞれ受託内容の領域に特性を持っており、同社は委託企業のニーズに応じて多様なサービスを提供することが可能です。
中でも川越工場は、本社機能を併せ持ち、操業年数が最も長い同社の主要工場です。同工場は、米国や欧州など20ヵ国以上のGMP認証を取得し、高い安全性を誇っています。また、スケールの大小を問わず治験薬や医薬品の製造を請け負います。さらに、近年需要が高まっているバイオ医薬品や再生医療等製品の検査・包装・保管にも対応しています。

事業説明を受ける様子(左)及び事業について話す髙野社長(右)の写真
左:事業説明を受ける様子
右:事業について話す髙野社長(写真右)

同社はSDGsへの取り組みにも積極的です。例えば、環境保全の活動として、CO2削減に向けて各工場でソーラーパネルを設置し、川越工場では年間600トンの削減に貢献しているそうです。また、女性活躍推進やワークライフバランスの充実に向けても取り組んでおり、令和6年には厚生労働省から「えるぼし」認定を、埼玉県から「多様な働き方実践企業」の最高位であるプラチナ認定を受けています。

さらに、DX化も積極的に推進しており、デジタルトランスフォーメーション戦略を掲げて「DXを通じて信頼性のある高品質なサービスを迅速に提供し、顧客満足度向上を実現する」ことを目指しています。そして、令和7年に製薬会社として初めて経済産業省から「DX認定事業者」として認定されています。

川越工場見学

続いて、川越工場を見学させていただきました。市長も専用ユニフォームに着替え、工場内を見学しました。
医薬品は人体に直接作用するもの。そのため、大変厳しいルールの中で製造されます。工場内は厳格な規制の枠組みに則った品質管理体制が敷かれ、入場者の記録、製品への異物混入防止のための衛生管理などが徹底されていました。この日は、製剤棟、包装棟、倉庫棟を見学させていただきましたので、各棟での取り組みについてご紹介します。

製剤棟

加工製造室の前に立つ髙野社長(左)及び説明を受ける森田市長(右)の写真
左:加工製造室と髙野社長
右:説明を受ける森田市長(写真右)

製剤棟は、原薬(医薬品の有効成分となる物質)を錠剤や顆粒剤など使用に適した形状に加工するための設備があるエリアです。加工製造室で打錠機などの専用設備が稼働する様子を見学しながら、固形製剤の製造行程についてお話を伺いました。
製造過程には世界共通の厳しい基準が設けられ、製品に適応した温度・湿度や、清掃の回数や手順、使用する用具のほか、保管や検査の作業手順についても細かく定められているそうです。

包装棟

包装棟で説明を受ける森田市長(左)及び作業場の様子(右)の写真
左:包装棟で説明を受ける森田市長(写真右)
右:作業場の様子

包装棟は、製造された医薬品を検査し、最終的に市場に流れる形に包装するための設備が備わっているエリアです。

PTP包装されたカプセル剤のイラスト画像
(イラストA)

PTP機(ブリスター機)などが稼働する様子を見ながら包装作業について伺いました。PTP機は、イラストAのようにカプセルや錠剤をプラスチックとアルミ箔で挟み、シート状に包装する機械です。同社の設備は1分間に6,000錠(600シート、60箱)もの包装能力があり、ほぼ24時間稼働しているとのこと。医薬品の安定供給への需要の高さがうかがえます。

倉庫棟

倉庫内に包装された製品が規則正しく陳列されている様子(左)及び冷蔵倉庫内で説明を受けている森田市長(右)の写真
左:包装された製品が規則正しく陳列されている倉庫
右:冷蔵倉庫の中で説明を受けている森田市長(写真中央)

倉庫棟は、パッケージングされた医薬品を適切な環境で保管するためのエリアです。医薬品に応じた温度・湿度管理が徹底され、製品の保管エリアと搬入出エリアを分離して作業の効率化が図られていました。冷蔵倉庫は髙野社長自身も設計に携わられたそうで、高さが約15メートルあるハイラック式であり、2℃~8℃の温度で製品を保管できます。

各棟では、積極的な設備投資により機械や技術(自動化装置、ロボット、AI等)を導入し、作業プロセスのオートメーション化が進んでいました。そのような中でも、特に製品の検査行程など機械ではカバーしきれないような精密性・専門性を要する作業においては、従業員による入念な作業が行われていたことが印象的でした。

市長も、医薬品の安全性担保のために厳重な管理体制が敷かれていることや、想像以上に人の目と手がかけられていることを知り、従業員の皆様が責任感を持って取り組まれている姿を直に見て深く感心している様子でした。

髙野社長との対談

工場見学後、髙野社長をはじめ幹部職員の皆様と森田市長との対談が行われ、改めて同社の取り組みや今後の事業展開についてお話を伺ったほか、市政に対する意見交換も行われました。

対談を行う髙野社長(左)と森田市長(右)の写真
対談する髙野社長(左)と森田市長(右)

Q:川越に本社を立地されていることについてどのようにお考えでしょうか。

A:お客様の目線で言えば、医薬品メーカーは東京都近郊に集中していますので、そこから1時間程度で来ることが可能なロケーション、交通アクセスの良さは利点であると考えています。

Q:埼玉県外では、会津若松市に工場を立地されているようですが。

受注数が増加し、川越市や美里町の他に新たな製造拠点をと考えている中で、業務提携契約を締結している株式会社スズケン様(本社愛知県、医薬品卸売)との連携もあって会津若松市への工場立地を決めました。

地域・学校とも積極的にコミュニケーションを取っていて、規模も年々大きくなっており、従業員数も設置当初から大幅に増加しました。

Q:地域の特別支援学校と交流があると伺いました。

はい。川越市立特別支援学校とも交流があって、弊社では定期的に現場実習生を受け入れています。また、本社・川越工場の駐車場に設置している車止めブロックは市立特別支援学校の生徒さんが製作されたものです。

Q:「従業員オーナーシップ・プログラム」はどのような目的で導入されたのでしょうか。

2024年に導入した従業員オーナーシップ・プログラム(「BEOP」。全従業員に自社の株式や持分の所有権を与え、企業価値の向上による利益を共有する仕組み。)は、従業員の自社への帰属意識とエンゲージメントの向上を図り、それによって仕事の質を高め、さらに企業価値を高めていくことを目的としています。当時、日本では初めての、画期的な取り組みであったと認識しています。
従業員の意識を高め企業価値向上を実現し、世界に誇れるような企業となることを目指して尽力していきます。

おわりに

今回も、普段見ることのできない作業の現場を拝見し、大変貴重な時間を過ごすことができました。
伺ったお話から、グローバルな規模で事業を展開している同社が、地域の産学官民と積極的に連携するなど、地域との繋がりも大切にしながら、多角的な視点と多彩なアプローチによって世界や地域社会への貢献を果たされていることを実感し、大変心強く感じました。
今後も多方面でご活躍され、地域を力強く牽引してくださることでしょう!

記念撮影の写真。左から、森川取締役副社長、髙野代表取締役社長、森田市長、山口専務執行役員、新井執行役員。
企業ロゴの前で記念撮影
(左から、森川副社長、髙野社長、森田市長、山口専務、新井工場長)

ご協力を賜りました武州製薬株式会社の皆様方に心より感謝申し上げます。

「元気もりもり企業訪問記」とは

日頃から市内経済に活力を与えてくれている市内企業を市長が訪問します。企業の取り組みを直接見聞きし、市政等に関する意見交換を行うことにより、本市の立地環境の現状や企業ニーズ・課題の把握に努めるとともに、行政と企業間の連携を強化し、市内経済のさらなる活性化を図ります。また、市内企業の取り組みや魅力を広く情報発信し、本市の産業振興の支援に繋げていきます。

この情報はお役に立ちましたか?

お寄せいただいた評価はサイト運営の参考といたします。

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

産業観光部 産業振興課 企業立地推進室
〒350-8601 川越市元町1丁目3番地1
電話番号:049-224-5934 ファクス番号:049-224-8712
産業観光部 産業振興課 企業立地推進室 へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。