令和7年度川越市少年の主張作文入選作品が決定しました

ページID1005900  更新日 2025年11月20日

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川越市少年の主張作文

「川越市少年の主張作文」は、川越市青少年を育てる市民会議・川越市・川越市教育委員会が主催する作文コンクールです。
青少年が日常生活の中で考えていること、感じていることを広く社会に訴えることにより、同世代の青少年の意識啓発と、青少年の健全育成に対する大人の理解と関心を高めることをねらいとして、昭和62年度から実施しています。
市内在住・在学の青少年を対象に募集を行い、令和7年度は中学生の部に1,246編、高校生及び一般の部に108編、総計1,354編の応募があり、厳正な審査によって、入選作品14編を決定しました。
令和7年度の最優秀賞受賞作品及び他の入選作品は次のとおりです。

令和7年度少年の主張作文最優秀賞

 タイトル『平和への想い』

 「平和」とは何なのだろう。自分、家族、もしくは友達が健康に暮らせていたら、それは「平和」と呼べるのだろうか。
 私は父親の仕事の都合で、発展途上国の代表格ともいえるインドに1年半ほど滞在していた。インドは先進国と比べると、インフラや貧困において課題が多いこと、そしてスラム街などがまだたくさん存在していることなどから、発展途上国に分類されている。しかし一方で、IT産業などは急速に発達しており、世界の経済を牽引している重要な国であることも確かだ。そんな国で暮らしていた日本人である私は、平和についてよく考えるようになっていた。なぜなら、日本で暮らしていたときには想像もつかないことが実際に私の身に起こったからだ。
 ある休日に、家族と近くの市場に買い出しに出かけた。市場はとても大きく、さまざまな店が立ち並び、活気にあふれていた。そこでは、ある男性が小さなカートのようなものに乗って、その市場を回っていた。近づくと、彼は両手足がなく、全身に火傷の痕が広がっていた。男性は物乞い、あるいは募金活動のようなことをしていた。その光景は日本ではまず目にすることがないもので、私は驚きを隠せなかった。その後、小さな子どもが物乞いをして近づいてきた。現地の人曰く、同情してお金を渡す人が多いが、そのお金は親に奪われ、タバコ代やお酒代に使われているのがほとんどだという。自分よりも小さい子が物乞いをしてお金を稼ぎ、そのお金でさえ自由に使えないこの世界は、あまりに不平等だと感じた。
 胸の奥で何かが動いたように感じた。日本で暮らしていたら、授業やニュースでこのようなことを知ったとしても、自分には関係ないだろう、と心のどこかで思っていたかもしれないと想像できたため、恥ずかしさを強く覚えた。
 その日以来、教育や栄養、治療を十分に得られない人々の存在から目をそらし、たとえ故意でなかったとしても、単に母国に戦争がなく、自分や知り合いが健康であるからと、世界を平和と呼ぶことは、あまりにも浅はかであると考えるようになった。
 それから私はボランティア活動や募金活動に興味を持つようになり、インドの学校で友達と文化祭で得た利益を寄付する活動を行った。私たちが運営した露店は、ブレスレットをカスタマイズして購入できるというものだった。材料を集め、金額を設定することからすべてグループで考え、無事当日を迎えた。利益は少ししか上がらなかったが、実際に私たちの手でお金を渡したとき、とても大きな達成感に包まれた。その他にも、使わなくなった服を貧しい人に寄付し、また日々の生活を送ることすら難しいような低賃金の人たちにチップを渡す際、少しでも収入の助けになるよう、少しでも多く渡すことを心掛けた。ささやかな取り組みかもしれないが、「何もしない」という選択を取らないことが、私ができる平和に貢献する第一歩だと思う。
 一般的に「平和」を英語に訳すと「Peace」となり、多くの日本人は「Peace」の意味は「平和」だけだと思いがちだが、実はさまざまな意味がある。その中の一つが「安心」である。平和と呼べる世界は、全人類にとって安心して暮らせる世界だと私は考える。私たちが身近な人を思いやるとともに、ニュースなどを通して世界の情勢に関心を向け、自分にできることを一つひとつ行うことが平和につながると信じている。
 あなたにとっての平和とは何だろうか。そして、その平和を守るために、自分には何ができるのか。少し立ち止まって考えてみてほしい。

令和7年度入選作品

過去の入選作品

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