市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)について(薬剤師・登録販売者の方へ)
市販薬の濫用について
近年、風邪薬や咳止め薬などを、本来の効能効果ではなく、精神への作用を目的として、適正な用法用量を超えて大量に服用する「オーバードーズ」が若者を中心に拡がりつつあります。
市販薬の乱用は昔から行われていた問題ですが、近年はSNS等で乱用の対象となる製品名や、どれくらい飲めばどうなるといった体験談等が流布され、一般の方が市販薬の乱用の情報に接しやすく、軽い気持ちで市販薬の乱用に陥りやすい状況との指摘もあります。
研究では、高校生の約70人に1人が、中学生の約55人に1人が過去1年以内に市販薬の乱用の経験があるという調査結果が出ており、特に10代から20代の若い女性に乱用をする方が多いとの報告があります。
中学生を対象とした調査では、乱用した市販薬の入手先は、薬局・ドラッグストア等の実店舗(64.2%)が最も多く、家の常備薬から(33.3%)、友人・恋人・知人(3.6%)、インターネット(3.5%)と続いています。(出典:飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2024年)より)
「医薬品の販売」の場面において、乱用を防止することは非常に重要です。この役割は、医薬品の販売を行う薬局等でしか果たすことができないものです。薬局等の薬剤師・登録販売者の皆さまは、乱用に対する知識を深め、適切な対応を行うことにより、乱用を防止し、乱用に苦しむ方を救う「ゲートキーパー」となってください。
「濫用等のおそれがある医薬品」とは
医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づき、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(以下「濫用等のおそれのある医薬品」という。)は次の通りです。
濫用等のおそれのある医薬品
以下に掲げるもの、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤
- エフェドリン
- コデイン
- ジヒドロコデイン
- ブロモバレリル尿素
- プソイドエフェドリン
- メチルエフェドリン
販売時の注意点
薬局開設者や医薬品販売業者は、薬局製造販売医薬品または一般用医薬品のうち、濫用のおそれのある医薬品を販売・授与するときは、次の1及び2に掲げる方法により行わなければなりません。
- 当該薬局・店舗等において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、次のアからエまでに掲げる事項を確認させること。
アの若年者とは、高校生、中学生等を指すものであること。
ウの適正な使用のため必要と認められる数量とは、原則として、薬効分類ごとに1人1包装単位(1箱、1瓶等)であること。
- ア 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合は、当該者の氏名及び年齢
- イ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況
- ウ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、その理由
- エ その他当該医薬品の適正な使用を目的とする購入・譲受けであることを確認するために必要な事項
- 当該薬局・店舗等において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、1により確認した事項を勘案し、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売・授与させること。
一般用医薬品の濫用防止に関するポスター等について
一般用医薬品の濫用等を未然に防ぐことを目的とし、厚生労働省が下記のとおり啓発ポスター等を作成しています。
ダウンロードのうえ、店舗等で掲示等してご活用ください。
-
あなたと、あなたの大切な人が、飲み込まれないように。(ポスター) (PDF 36.1MB)
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薬のオーバードーズって何だろう(小学生のみなさんへ)(リーフレット) (PDF 6.5MB)
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薬のオーバードーズって何だろう(中高生のみなさんへ)(リーフレット) (PDF 5.1MB)





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