水道料金見直しの必要性について
水道料金見直しの必要性について(令和7年度版経営戦略の概要)
1 経営戦略策定の趣旨

市では、令和2年3月に、上下水道事業の中長期的な経営の基本計画である「川越市上下水道事業経営戦略」を策定しました。このたび策定から5年目を迎えましたが、その間にコロナ禍や物価上昇などの社会・経済情勢の変化に加え、自然災害への備えがますます重要性を増しており、これらは上下水道の経営に多大な影響を与えています。そのため、現状分析や将来の事業環境の予測、事業進捗状況の検証・評価結果等を踏まえ、新たに「川越市上下水道事業経営戦略(令和7年度版)」を令和7年3月に策定しました。そのうち、水道事業に関する部分の概要について以下お知らせします。
2 水道事業の現状
(1)施設の状況
市の水道事業は、昭和26年度に当初認可を受け事業を実施し、昭和29年度から給水を開始しています。令和5年度末における市内の配水管延長は、約1,480キロメートルあります。また、人口が増加した1960年代後半から市街地の拡大に伴い、配水管を大規模に布設していますが、法定耐用年数40年を超える管路経年化率は30パーセントを超えており、今後上昇する見込みとなっていることから、老朽管の更新や災害に備える耐震化の推進が喫緊の課題となっています。
【参考】漏水が発生している様子

(2)経営の状況
令和5年度末における市の水道を使用されている方の人口は352,781人であり、平成26年度と比較すると約3,500人増加しています。一方、水道料金収入の推移を見ると、節水機器の普及等の影響により平成29年度以降、減少傾向にあります。
また、水道料金の金額は、市区町村等の水道事業団体ごとに異なりますが、市の水道料金の改定は、平成9年11月以降、28年間据え置かれています。現在の料金は、1か月あたり20立方メートル使用した場合の金額で同じ中核市で比較すると、令和5年4月1日時点で62団体中4番目に安価な設定となっています。
| 川越市 | 2,145円 |
|---|---|
| 中核市平均 | 2,844円 |
| 最高値の団体 | 4,961円 |
3 水道事業の課題
(1)老朽化対策、耐震化の必要性
配水管の経年化率(管の総延長に対する、法定耐用年数を超えた管の延長の割合)は令和5年度末時点で30.08パーセントであり、5年前の平成30年度末時点と比べて7パーセント近く上昇しており、類似団体平均より高い状況です。また、耐震化率は令和5年度末で27.4パーセントという状況であり、計画的に更新及び耐震化を進めることが求められます。
| 令和3年度 | 27.52パーセント |
|---|---|
| 令和4年度 | 29.16パーセント |
| 令和5年度 |
30.08パーセント |
(2)料金回収率改善の必要性
水道事業においては、給水に要する経費は水道料金収入で賄うという独立採算性が原則とされています。また、ここで確保した純利益は、将来の施設更新費用や企業債の元金償還金に充当する財源となります。しかし、給水に要する経費を水道料金収入でどの程度確保てきているかを示す料金回収率は近年、恒常的に100パーセントを下回っており、給水に要する経費を水道料金収入で賄いきれていないという状況が続いています。
| 令和3年度 | 97.45パーセント |
|---|---|
| 令和4年度 | 93.60パーセント |
| 令和5年度 | 94.55パーセント |
(3)県水卸売価格の値上がり
市では、配水量の約9割を県営水道から購入している水(県水)に頼っています。その1立方メートル当たりの卸売価格について、令和8年度からに約21.0パーセントもの値上げが行われることとなりました。これにより料金回収率はさらに悪化することが見込まれ、適正な水道料金の確保が必要となっています。
|
平成11年度から令和7年度まで |
61.78円 |
|---|---|
| 令和8年度以降 | 74.74円 |
4 将来の事業環境
市の水道利用者人口である給水人口は、令和5年度末時点で352,781人であったのに対し、人口減少の影響により、令和16年度では3.9パーセント減少し、338,993人になることが見込まれています。それに伴い、令和16年度の水道料金収入は、令和5年度の51億6,900万円から約3.6パーセントの減となることが見込まれています。
| 令和5年度(実績) | 約51.7億円 |
|---|---|
| 令和11年度 | 約50.9億円 |
| 令和16年度 |
約49.8億円 |
5 投資・財政計画
(1)投資試算
以上のことを踏まえ、川越市上下水道事業経営戦略(令和7年度版)では、投資試算及び財源試算を行い、令和7年度から令和16年度までの10年間の投資・財政計画を検討しました。投資試算においては、今後増加する老朽施設の更新や耐震化を計画的に推進するため、配水管の布設や改良、ポンプ場等施設の整備・更新に要する費用である建設改良費が、直近5年間の平均額約24億円に対し、今後10年間では毎年約10億円から27億円もの増が見込まれています。
| 令和5年度(実績) |
約27.9億円 |
|---|---|
| 令和11年度 |
約47.8億円 |
| 令和16年度 |
約48.9億円 |
(2)財源試算
現行の水道料金を維持した場合の水道事業における収益的収支は、料金収入の減少や物価上昇、県水卸売単価の値上がりにより悪化することが見込まれており、県水の値上げが実施される令和8年度以降、純利益を計上することができない(赤字となる)見込みとなっています。
| 令和5年度(実績) | +4.3億円 |
|---|---|
| 令和11年度 | −8.2億円 |
| 令和16年度 | −19.3億円 |
(3)投資・財政計画
以上の投資試算・財源試算をもとに、令和7年度から令和16年度までの投資・財政計画の作成にあたり、企業債の借り入れ(借金)による将来世代との負担のバランスを考慮しながら適正な水道料金水準を検討した結果、令和9年10月に45パーセント、令和14年10月に15パーセントの水道料金の改定を設定することになりました。
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