令和7年度「教育行政方針」

ページID1016921  更新日 2025年2月26日

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川越市教育委員会

 令和7年度における本市教育委員会の教育行政の執行に当たり、主要な施策につきまして、教育行政方針により御説明申し上げます。
 なお、令和7年度当初予算は、市長の市政方針の説明にもございましたように、義務的な事業や継続事業などの年度当初から対応すべき事業に要する経費を計上した予算でございますことから、このことを踏まえ、御説明申し上げます。

 まず、「確かな学力の育成」でございます。 知識、技能はもとより、学ぶ意欲や自ら課題を見つけ解決する力である確かな学力の育成に当たっては、一人ひとりの成長やつまずきを把握し、興味や関心、意欲などを踏まえた指導・支援を行うことが重要であり、日々の授業を改善することを柱として進めているところでございます。
 授業において、児童生徒が何を学ぶのかを「めあて」で意識し、どのように学ぶのかの「見通し」を持ち、自分で考え、友達と話し合い、お互いに高め合う「学び合い」に取り組み、「まとめ」、最後に「振り返り」という学びの流れを示した、本市が目指す授業の基本型である「川越授業スタンダード」を徹底し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の活動を充実させ、「主体的・対話的で深い学び」による確かな学力の育成を、教育委員会と学校が一体となって進めてまいります。
 また、外国語教育につきましては、英語指導助手の計画的な配置や、児童と英語指導助手が英語を使ってアクティビティに取り組む川越市イングリッシュキャンプの実施により、児童生徒が生きた英語に触れる機会を設けてまいります。
 さらに、教科書を1年間に4回から5回繰り返す英語の授業の指導法である「5(ファイブ)ラウンドシステム」に係るモデル校研究を通して、教職員の指導力を高めるとともに、会話力を高め、自分の考えや思いを主体的に伝えることができる生徒の育成を図ってまいります。
 令和6年度には市立小・中学校のネットワーク環境を増強し、学習者用コンピュータによる学習環境を整えてまいりました。令和7年度も、専門的知識を有した外部人材による業務委託も継続して、今まで以上に整備された学習環境の中で、学習者用コンピュータを用いた学びを推進してまいります。

 続きまして、「豊かな心と健やかな体の育成」でございます。
 児童生徒の豊かな心を育成するため、答えが1つではない課題を、児童生徒一人ひとりが自分の問題として捉え、向き合えるよう「考え、議論する道徳」の授業を実践してまいります。
 SNSによるいじめなど、より多様化・複雑化するいじめ問題への対応につきましては、「川越市いじめ防止等のための基本的な方針」に基づく取組を徹底し、生徒指導推進訪問を通じて、各学校への指導・助言を継続してまいります。
 不登校児童生徒への支援につきましては、不登校の未然防止・早期支援に努めるとともに、各学校に設置された校内学習室を心の居場所となれるようにすることで、「個別最適な学び」と「誰一人取り残されない学びの保障」を推進してまいります。また、さわやか相談員やスクールソーシャルワーカーなどを活用し、家庭も含めた不登校児童生徒への支援体制の充実を図ってまいります。
 より安全で、効率的かつ質の高い水泳授業の在り方を検討するためのプール施設及び水泳指導の民間委託に向けて、受け入れ民間施設及びモデル校を拡大し、成果と課題を検証してまいります。

 続きまして、「多様なニーズに対応した教育の推進」でございます。
 特別支援教育の充実につきましては、「川越市特別支援教育推進に関する計画」に基づき、市立小・中学校全校への特別支援学級の設置を進めてまいりました。
 今後も、多様な学びの場の提供と、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援の充実を図るため、学級運営支援員や特別支援教育支援員を配置するとともに、保護者に寄り添った丁寧な就学相談を実施してまいります。
 また、心の教育、学力向上、いじめの未然防止、不登校児童生徒への対応等、多様化する学校課題の解決に向けて、引き続き、オールマイティーチャーを配置するとともに、外国人児童生徒に対して、学校生活における支援を充実させるため、語学指導補助員の派遣を進めてまいります。

 続きまして、「教育の質を高める環境の充実」でございます。
 教職員の研修につきましては、そのキャリアステージに応じ、求められている資質・能力の育成を図るために、新たな教師の学びの姿である「学び続ける教師」の育成に資する研修体制を整えてまいります。
 中学校の部活動につきましては、地域人材の発掘、育成による連携を広めながら、休日の学校部活動において、部活動支援員の導入、部活動指導員の配置の拡充、モデル地域を設定した合同部活動の導入などを進めてまいります。また、引き続き、市内のスポーツ、文化団体等との連携、協力体制の構築を進めるとともに、関係各課と連携しながら、地域クラブ活動への移行に向けた環境整備を、着実に進めてまいります。
 市立川越高等学校につきましては、教育の充実を図り、市民の期待に応える魅力ある学校づくりのため、今後の学校運営の方針を検討してまいります。また、トイレ設備の改修等、教育環境の改善のための取組を進めてまいります。
 市立特別支援学校につきましては、自立に向けた指導と生徒一人ひとりに合った進路指導を引き続き実施してまいります。また、市立特別支援学校のセンター的機能を活用し、全市立学校の特別支援教育の推進に努めてまいります。

 続きまして、「学びを支える教育環境の整備・充実」でございます。
 取組を進めている市立小・中学校の体育館の空調設備の設置と照明のLED化を着実に推進するとともに、市立小・中学校の施設・設備の老朽化対策を計画的に進めてまいります。
 市立小・中学校の適正規模・適正配置等につきましては、将来的な市立小・中学校の適正規模・適正配置を進めていくための基本的な考え方について、調査、検討を進めてまいります。
 学校給食につきましては、近年の物価高騰を踏まえながら、栄養バランスと量を確保した献立を充実させるとともに、地場産農産物を積極的に使用し、食育の充実を図り、徹底した衛生管理のもと、安全・安心な学校給食の提供に努めてまいります。
 また、学校給食センターにつきましては、空調設備の改修工事に向けた設計、厨房設備の改修工事や必要な修繕などを行い、老朽化対策を進めてまいります。
 学童保育事業につきましては、引き続き、保育の質の向上、安全・安心な保育環境の整備・充実に取り組んでまいります。
 さらに、学童保育室における老朽化したトイレの改修や空調設備の入れ替えなどを計画的に進めてまいります。

 続きまして、「家庭・地域の教育力の向上」でございます。
 令和5年度に、コミュニティ・スクールを市立学校全校に導入いたしました。今後は、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進に向け、地域と学校とが連携・協働できる仕組みづくりに取り組んでまいります。
 学校・家庭・地域及び社会教育施設が連携・協働し、人と人とのネットワークを構築しながら、こどもたちを地域ぐるみで育てる、子どもサポート事業を引き続き推進してまいります。また、放課後に地域住民等の参画を得て、学習や体験・交流活動を通じ、こどもたちが地域の中で安全・安心に過ごす放課後子供教室については、地域の実情に合わせて、拡充に努めてまいります。

 続きまして、「生涯学習活動の推進」でございます。
 公民館、図書館、博物館などの社会教育施設において、誰もが生涯にわたって学び、その学びの成果を地域・社会の課題解決につなげられるよう各種取組を充実させるとともに、利用しやすい施設となるよう環境整備に努めます。
 公民館につきましては、地域の身近な学習拠点として、市民ニーズを捉えた学習の場を提供するほか、地域コミュニティの基盤づくりを進めるとともに、現代的な課題の解決に向けた取組を引き続き行ってまいります。
 図書館につきましては、市民のニーズに応えるための図書館資料を充実させ、また、家庭での読書の習慣化、児童の読書への興味や関心を引き出す取組を進めてまいります。
 博物館につきましては、博物館に求められる役割が多様化・高度化する中、基本的な役割・機能を果たしながら、ニーズを踏まえた運営と多くの皆様にお越しいただける充実した展示に努めてまいります。
 また、蔵造り資料館耐震化事業につきましては、引き続き、貴重な文化財である店蔵の耐震化工事を着実に進めてまいります。

 最後に、「文化財の保存と活用」でございます。
 令和5年12月に文化庁から認定された「川越市文化財保存活用地域計画」を基に、本市が誇る貴重な歴史遺産である文化財の総合的かつ計画的な保存・活用を地域社会とともに進めてまいります。
 また、本市の貴重な無形民俗文化財の後継者育成支援も継続してまいります。
 さらに、公開講座の実施や児童生徒への出前授業などの学習機会の提供により、地域の文化財に関する情報を地域の人々と共有し、地域の歴史や伝統文化への興味・関心を高め、未来に向けて大切に継承していけるように、文化財保護意識の醸成に努めてまいります。

 以上が、令和7年度教育行政方針でございます。
 令和7年度も市の施策の取組と歩調を合わせ、総合教育会議での市長との協議や意見交換の機会などを通じて、市長と意思疎通を図りながら、各施策を全力で推進してまいります。

 施策の推進に当たり、議員各位並びに市民の皆さまの御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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