○川越市養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則

平成二十五年三月二十九日

規則第三十二号

(基本方針)

第二条 養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って処遇を行うように努めなければならない。

3 養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇に努めるとともに、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

(令三規則二二・一部改正)

(構造設備の一般原則)

第三条 養護老人ホームの配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。

(設備の専用)

第四条 養護老人ホームの設備は、専ら当該養護老人ホームの用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。

(運営規程)

第五条 養護老人ホームは、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

 施設の目的及び運営の方針

 職員の職種、数及び職務の内容

 入所定員

 入所者の処遇の内容

 施設の利用に当たっての留意事項

 非常災害対策

 虐待の防止のための措置に関する事項

 その他施設の運営に関する重要事項

(令三規則二二・一部改正)

(非常災害対策)

第六条 養護老人ホームは、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。

2 養護老人ホームは、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行なわなければならない。

3 養護老人ホームは、前項に規定する訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。

(令三規則二二・一部改正)

(記録の整備)

第七条 養護老人ホームは、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の処遇の状況に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

 処遇計画

 行った具体的な処遇の内容等の記録

 条例第七条第二項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録

 条例第九条第三項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録

 第二十二条第二項に規定する苦情の内容等の記録

(設備の基準)

第八条 養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)又は準耐火建築物(同条第九号の三に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)でなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

 スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 養護老人ホームには、条例第五条第一項に規定する居室のほか、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより、施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。

 静養室

 食堂

 集会室

 浴室

 洗面所

 便所

 医務室

 調理室

 宿直室

 職員室

十一 面談室

十二 洗濯室又は洗濯場

十三 汚物処理室

十四 霊安室

十五 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 居室及び前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

 居室

 地階に設けてはならないこと。

 一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。

 入所者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。

 静養室

 医務室又は職員室に近接して設けること。

 原則として一階に設け、寝台又はこれに代わる設備を備えること。

 及びに定めるもののほか、前号イからに定めるところによること。

 洗面所 居室のある階ごとに設けること。

 便所 居室のある階ごとに男子用と女子用を別に設けること。

 医務室 入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。

 調理室 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

 職員室 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

5 前各項に規定するもののほか、養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。

 廊下の幅は、一・三五メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、一・八メートル以上とすること。

 廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。

 階段の傾斜は、ゆるやかにすること。

(居室の定員)

第九条 一の居室の定員は、一人とする。ただし、入所者への処遇上必要と認められる場合には、二人とすることができる。

(入退所)

第十条 養護老人ホームは、入所予定者の入所に際しては、その者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて常に配慮しなければならない。

3 養護老人ホームは、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる生活環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助に努めなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者の退所に際しては、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

5 養護老人ホームは、入所者の退所後も、必要に応じ、当該入所者及びその家族等に対する相談援助を行うとともに、適切な援助に努めなければならない。

(処遇計画)

第十一条 養護老人ホームの施設長は、生活相談員に処遇計画の作成に関する業務を担当させるものとする。

2 生活相談員は、入所者について、その心身の状況、その置かれている環境、その者及びその家族の希望等を勘案し、他の職員と協議の上、その者の処遇計画を作成しなければならない。

3 生活相談員は、処遇計画について、入所者の処遇の状況等を勘案し、必要な見直しを行わなければならない。

(処遇の方針)

第十二条 養護老人ホームは、入所者について、その者が有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、その心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を妥当適切に行わなければならない。

2 入所者の処遇は、処遇計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行わなければならない。

3 養護老人ホームの職員は、入所者の処遇に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

(食事)

第十三条 養護老人ホームは、栄養並びに入所者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。

(生活相談等)

第十四条 養護老人ホームは、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者に対し、処遇計画に基づき、自立した日常生活を営むために必要な指導及び訓練その他の援助を行わなければならない。

3 養護老人ホームは、要介護認定(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項に規定する要介護認定をいう。)の申請等、入所者が日常生活を営むのに必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族において行うことが困難である場合は、当該入所者の意思を踏まえて速やかに必要な支援を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

5 養護老人ホームは、入所者の外出の機会を確保するよう努めなければならない。

6 養護老人ホームは、入所者に対し、退所後の地域における生活を念頭に置きつつ、自立的な生活に必要な援助を適切に行わなければならない。

7 養護老人ホームは、一週間に二回以上、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。

8 養護老人ホームは、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーション行事を行わなければならない。

(居宅サービス等の利用)

第十五条 養護老人ホームは、入所者が要介護状態等(介護保険法第二条第一項に規定する要介護状態等をいう。)となった場合には、その心身の状況、置かれている環境等に応じ、適切に居宅サービス等(同法第二十三条に規定する居宅サービス等をいう。以下同じ。)を受けることができるよう、必要な措置を講じなければならない。

(健康管理)

第十六条 養護老人ホームは、入所者について、その入所時及び毎年定期に二回以上健康診断を行わなければならない。

(施設長の責務)

第十七条 養護老人ホームの施設長は、養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 養護老人ホームの施設長は、職員に条例第七条から第九条の二まで並びに第五条から第七条まで、第十条から前条まで及び次条から第二十三条までの規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

(令三規則二二・一部改正)

(生活相談員の責務)

第十八条 生活相談員は、処遇計画を作成し、それに沿った支援が行われるよう必要な調整を行うほか、次に掲げる業務を行わなければならない。

 入所者の居宅サービス等の利用に際し、介護保険法第八条第二十四項に規定する居宅サービス計画又は同法第八条の二第十六項に規定する介護予防サービス計画の作成等に資するため、同法第八条第二十四項に規定する居宅介護支援事業又は同法第八条の二第十六項に規定する介護予防支援事業を行う者と密接な連携を図るほか、居宅サービス等その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めること。

 第二十二条第二項に規定する苦情の内容等の記録を行うこと。

 条例第九条第三項に規定する事故の状況及び事故に際して採った措置についての記録を行うこと。

2 主任生活相談員は、前項に規定する業務のほか、養護老人ホームへの入所に際しての調整、他の生活相談員に対する技術指導等の内容の管理を行うものとする。

3 前二項の規定にかかわらず、指定特定施設入居者生活介護、指定地域密着型特定施設入居者生活介護又は指定介護予防特定施設入居者生活介護を行う養護老人ホームであって、条例第六条第一項第三号の規定に基づく生活相談員を置いていない場合にあっては、主任支援員が前二項に掲げる業務を行うものとする。

(平二八規則五三・平三〇規則五八・一部改正)

(勤務体制の確保等)

第十九条 養護老人ホームは、入所者に対し、適切な処遇を行うことができるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 前項の職員の勤務体制を定めるに当たっては、入所者が安心して日常生活を送るために継続性を重視した処遇を行うことができるよう配慮しなければならない。

3 養護老人ホームは、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。この場合において、当該養護老人ホームは、全ての職員(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護保険法第八条第二項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

4 養護老人ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

(令三規則二二・一部改正)

(衛生管理等)

第二十条 養護老人ホームは、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。

(令三規則二二・一部改正)

(協力病院等)

第二十一条 養護老人ホームは、入院治療を必要とする入所者のために、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。

2 養護老人ホームは、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

(苦情への対応)

第二十二条 養護老人ホームは、その行った処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。

2 養護老人ホームは、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 養護老人ホームは、その行った処遇に関し、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。

5 養護老人ホームは、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。

(地域との連携等)

第二十三条 養護老人ホームは、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流を図らなければならない。

2 養護老人ホームは、その運営に当たっては、その措置に関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(電磁的記録)

第二十四条 養護老人ホーム及びその職員は、作成、保存その他これらに類するもののうち、条例及びこの規則の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されているもの又は想定されるものについては、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

(令三規則二二・追加)

この規則は、平成二十五年四月一日から施行する。

(平成二八年三月三一日規則第五三号)

この規則は、平成二十八年四月一日から施行する。

(平成三〇年九月二八日規則第五八号)

この規則は、平成三十年十月一日から施行する。

(令和三年三月三一日規則第二二号)

(施行期日)

1 この規則は、令和三年四月一日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この規則の施行の日から令和六年三月三十一日までの間における改正後の第二条第四項及び第五条の規定の適用については、同項中「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、同条中「、次に」とあるのは「、第七号に掲げる事項に関する規程を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(同号に掲げる事項を除く。)」とする。

(認知症介護に係る基礎的な研修の受講に関する経過措置)

3 この規則の施行の日から令和六年三月三十一日までの間における改正後の第十九条第三項の規定の適用については、同項中「講じなければ」とあるのは、「講ずるよう努めなければ」とする。

川越市養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則

平成25年3月29日 規則第32号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成25年3月29日 規則第32号
平成28年3月31日 規則第53号
平成30年9月28日 規則第58号
令和3年3月31日 規則第22号