川越市

「旧山崎家別邸」が国の重要文化財に指定されました

更新日:2019年9月30日


旧山崎家別邸全景

令和元年5月17日に国の文化審議会文化財分科会にて、国の重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申されていた「旧山崎家別邸」が、令和元年9月30日付けで国の重要文化財に指定されました。

旧山崎家別邸について

指定名称

旧山崎家別邸(きゅうやまざきけべってい)
附(つけたり)茶室、供待(ちゃしつ、ともまち)

構造・形式

主屋:木造、建築面積192.38平方メートル、一部二階建、一部地下一階、瓦葺一部銅板葺
附(つけたり)茶室:木造建築面積13.69平方メートル、銅板葺
附(つけたり)供待:木造建築面積1.65平方メートル、銅板葺

所在地 川越市松江町2丁目7番地8
所有者 川越市

旧山崎家別邸は、川越市川越伝統的建造物群保存地区の東側に道路を隔てて隣接しています。老舗菓子店「龜屋」の五代目山崎嘉七氏の隠居所として建てられました。設計したのは建築家の保岡勝也です。
主屋は、二階建ての洋館、二階建ての蔵、平屋の和館で構成されています。和洋の接客空間を中心とした都市近郊の別邸建築です。和洋の諸室の配置や動線が効率的に計画され、外観は意匠を巧みに取り合わせ和洋の調和を図っています。多様な接客室は、機能的な動線で結ばれ、かつ採光通気など住環境にも配慮しています。
大正期における中小住宅の普及発展に先駆的かつ実践的に取り組み、数寄屋建築にも精通した建築家保岡勝也が目指した和洋の生活様式の統合を体現する建物は、我が国における住宅の近代化の過程を示し、高い歴史的価値を有しています。


客室


客間


茶室

写真:小野吉彦

建築家・保岡勝也

保岡勝也(やすおかかつや1877~1942)は、東京都出身で、東京帝国大学で辰野金吾の下で建築を学び、明治33年(1900)三菱合資会社に入社しました。
丸の内オフィス街の三菱第四号館の設計に加わり、明治39年には技師長となりました。三菱第十四号館では、いち早く鉄筋コンクリートを導入するなど、建築界の最先端の建築家でした。
その後、大正2年(1913)に、三菱を退社したのち、設計事務所を開設します。商店建築や銀行建築も設計しますが、多くは、中小の個人住宅です。当時の建築家が中小住宅の設計をすることは珍しく、保岡は住宅作家のパイオニアと呼ばれています。また保岡は、建築の他装飾品や家具類にも造詣が深く、その後、茶室や茶庭の研究も行っています。
旧山崎家別邸の庭も保岡の造園家としての力量を示すもので、国登録記念物に登録されています。

お問い合わせ

教育委員会 教育総務部 文化財保護課 管理担当
〒350-8601 川越市元町1丁目3番地1
電話番号:049-224-6097(直通)
ファクス:049-224-5086
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