更新日:2019年2月14日
小林斗あん(1916~2007)は南町(現元町二丁目)の印章舗の三代目として生まれました。川越中学校(現県立川越高等学校)を卒業後、早くから篆刻(てんこく)家・河井筌盧(せんろ)に篆刻・書法の教えを受け、10代のうちから華々しい成果をあげていました。書家・比田井(ひだい)天来(てんらい)からは「中学でこれだけ書ければ、書を習う必要はない」とまで激励されました。
また、篆刻は古代の文字を扱うため、中国の文字学の研究が重要です。戦後は東京大学・加藤(かとう)常賢(じょうけん)教授のもとで説文学を修め、国宝の金印「漢委奴國王(かんのわのなのこくおう)」にまつわる偽印説を覆すなど、この方面でも力を見せています。さらに、篆刻制作の重要資料である中国古印譜の収集の質・量は、上海図書館に匹敵するとも言われ、その総集として編んだ「中国篆刻叢刊」(全40巻)は、中国でもいまだにない全集として高い評価を得ています。
自他ともに厳しい鍛錬を課したその生涯でしたが、仕事を離れたあとは、和服を好み、その人となりは、若い門生に至るまで、常に折り目正しい応接に終始していました。
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