食中毒菌名 |
特徴 |
汚染・感染経路 |
症状(発症までの時間) |
予防のポイント |
腸炎ビブリオ |
塩分のあるところで発育する |
- 海中に生息する
- 魚介類やその加工品
- 魚介類を調理した際に汚染された調理器具
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腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱(8から24時間) |
- 魚介類は調理前、真水でよく洗浄する
- 魚介類を扱った後の調理器具、手指を洗浄し二次汚染を防止する
- 食材は10℃以下で低温保存する
- 冷蔵庫から取り出したら、早く食べる
- 中心温度75℃1分以上の加熱調理をする
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サルモネラ |
乾燥に強い |
- 人、動物の糞便に広く存在する
- 鶏卵、食肉類とその加工品
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下痢、腹痛、悪寒、発熱(12から48時間) |
- 食肉類の生食は避け、中心温度75℃1分以上の加熱調理をする
- 卵、生肉を扱った後の器具、手指を洗浄し二次汚染を防止する
- 卵、食肉は10℃以下で低温保存する
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黄色ブドウ球菌 |
毒素を産生する菌で産生された毒素は100℃30分での加熱調理でも壊れない |
- 人、動物の粘膜に存在する(特に傷口)
- おにぎり等の穀類加工品
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吐き気、嘔吐、下痢(0.5から6時間) |
- 手洗いを徹底する。特に手指に傷、化膿のある人は調理行為を行わない
- 食材は10℃以下で低温保存し、室温で放置しない
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腸管出血性大腸菌(O157等) |
少量の菌で食中毒を起こす |
- 牛などの糞便に存在する
- 糞便に直接、間接的に二次汚染された食品
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腹痛、血便、下痢、吐き気、重症の場合、急性腎不全(2から9日) |
- 調理器具、手指を洗浄し二次汚染を防止する
- 食材は10℃以下で低温保存する
- 中心温度75℃1分以上の加熱調理をする
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カンピロバクター |
大気中では発育できない。少量の酸素で発育する |
- 家畜、ペットなどあらゆる動物が保菌する
- 特に鶏肉が関係した食品
- 未消毒の井戸水
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下痢、腹痛、発熱、頭痛、嘔吐、吐き気、倦怠感(2から7日) |
- 鶏肉を扱った後の調理器具、手指を洗浄し二次汚染を防止する
- 生肉と調理済み食品は別々に保存する
- 中心温度75℃1分以上の加熱調理をする
- 井戸水は的確に塩素消毒をする
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エルシニア |
低温でも発育できる |
- 人、動物(特にブタ)の糞便、ペットなどに存在する
- 未消毒の井戸水
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腹痛、下痢、発熱(0.5から6日) |
- 調理器具、手指を洗浄し二次汚染を防止する
- 中心温度75℃1分以上の加熱調理をする
- 冷蔵保存を過信せず、食品はなるべく早めに食べる
- 井戸水は的確に塩素消毒をする
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ウエルシュ菌 |
加熱に強く、酸素があると発育できない(真空パックなどに注意) |
- 人、動物の糞便や土壌に存在する
- 食肉、魚介類、野菜を使用した加熱調理食品(特に大量調理された食品は注意)
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腹痛、下痢(6から18時間) |
- 食材にはよく火を通す
- 加熱調理後、保存する場合は室温で放置せず、冷却後冷蔵保存する
- 弁当、仕出しなどの大量調理品に注意する
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セレウス菌 |
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- 土壌などに存在する
- 嘔吐型:ご飯類、パスタ類
- 下痢型:食肉、スープ類
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- 嘔吐型:腹痛、吐き気、嘔吐(0.5から6時間)
- 下痢型:腹痛、下痢(12から24時間)
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- 加熱調理後、保存する場合は、室温で放置せず、冷却後冷蔵保管する
- 一度に大量の米飯、麺類を調理しない
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ボツリヌス菌 |
加熱に強く、酸素があると発育できない(真空パックなどに注意) |
- 土壌などに存在する
- ビン、缶詰、レトルトなどの真空状態の食品
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吐き気、嘔吐、視力障害、言語障害等の神経症状(8から36時間 |
- 新鮮な食材を用いて洗浄を十分に行う
- 食材は10℃以下で低温保存する。
- 食直前に十分な加熱(100℃数分間)を行う
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ノロウイルス |
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- 人の糞便に存在する
- 河口付近で養殖されたカキ、ハマグリなどの二枚貝類
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腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、頭痛等の風邪によく似た症状(24から48時間) |
- 調理器具、手指を十分に洗浄し消毒を行う
- 中心温度85℃から90℃90秒以上の十分な加熱を行う
- 人から人への二次感染があるので個人の衛生管理を徹底する
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