○川越市無料低額宿泊所等の設備及び運営に関する基準等を定める条例
令和2年3月25日
条例第6号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準
第1節 無料低額宿泊所の範囲(第3条)
第2節 基本方針(第4条)
第3節 設備及び運営に関する基準(第5条―第33条)
第3章 被保護者等住居・生活サービス提供事業に関する規制(第34条―第41条)
第4章 雑則(第42条―第45条)
第5章 罰則(第46条・第47条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)第68条の5第1項の規定に基づき無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定めるとともに、被保護者等住居・生活サービス提供事業を行う者(国及び地方公共団体を除く。以下「事業者」という。)の業務の適正な運営を確保し、被保護者等の処遇の改善及び自立の支援を図るために必要な規制を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例において「無料低額宿泊所」とは、法第2条第3項第8号に規定する生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業(以下「無料低額宿泊事業」という。)を行う施設をいう。
2 この条例において「被保護者等」とは、生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)、同法第24条第1項の規定により保護の開始を申請している者その他の生計困難者をいう。
3 この条例において「住居等」とは、住宅又は宿泊所その他の居住の用に供する施設をいう。
4 この条例において「生活サービス」とは、衣類、食材等の日常の生活必需品の供与、食事の提供、金銭の管理その他の生活に関するサービスをいう。
5 この条例において「被保護者等住居・生活サービス提供事業」とは、次に掲げる事業をいう。ただし、法令によりその開始につき行政庁の許可、認可、免許その他の処分又は行政庁への届出を要するものとされている事業(無料低額宿泊事業を除く。)、法令によりその設置につき行政庁の許可、認可、免許その他の処分又は行政庁への届出を要するものとされている施設に係る事業その他これらに類する事業を除く。
(1) 無料低額宿泊事業
ア 2人以上の被保護者等に対し、住居等及び生活サービスを提供する事業
イ 2人以上の被保護者等に対し、住居等を提供するとともに、自己の指定する者に生活サービスを提供させる事業
ウ 2人以上の被保護者等に対し、生活サービスを提供するとともに、自己の指定する者に住居等を提供させる事業
エ 2人以上の被保護者等に対し、自己の指定する者に住居等及び生活サービスを提供させる事業
第2章 無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準
第1節 無料低額宿泊所の範囲
第3条 無料低額宿泊所は、次に掲げる事項を満たすものとする。ただし、他の法令により必要な規制が行われている等事業の主たる目的が、生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させるものでないことが明らかである場合は、この限りでない。
(1) 次に掲げるいずれかの事項を満たすものであること。
ア 入居の対象者を生計困難者に限定していること(明示的に限定していない場合であっても、生計困難者に限定して入居を勧誘していると認められる場合を含む。)。
イ 入居者の総数に占める被保護者の数の割合が、おおむね50パーセント以上であり、居室の利用に係る契約が建物の賃貸借契約以外の契約であること。
ウ 入居者の総数に占める被保護者の数の割合が、おおむね50パーセント以上であり、利用料(居室使用料及び共益費を除く。)を受領してサービスを提供していること(サービスを提供する者が人的関係、資本関係等において当該施設と密接な関係を有する場合を含む。)。
(2) 居室使用料が無料又は生活保護法第8条第1項の厚生労働大臣の定める基準(同法第11条第1項第3号の住宅扶助に係るものに限る。)に基づく額以下であること。
第2節 基本方針
第4条 無料低額宿泊所は、入居者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、現に住居を求めている生計困難者につき、無料又は低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要なサービスを適切かつ効果的に行うものでなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の意思及び人格を尊重して、常に当該入居者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、基本的に一時的な居住の場であることに鑑み、入居者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、当該入居者が独立して日常生活を営むことができるか常に把握しなければならない。
4 無料低額宿泊所は、独立して日常生活を営むことができると認められる入居者に対し、当該入居者の希望、退居後に置かれることとなる環境等を勘案し、当該入居者の円滑な退居のための必要な援助に努めなければならない。
5 無料低額宿泊所は、地域との結び付きを重視した運営を行い、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、生計困難者の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。
第3節 設備及び運営に関する基準
(構造設備等の一般原則)
第5条 無料低額宿泊所の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(設備の専用)
第6条 無料低額宿泊所の設備は、専ら当該無料低額宿泊所の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に提供するサービスに支障がない場合は、この限りでない。
(職員等の資格要件)
第7条 無料低額宿泊所の長(以下「施設長」という。)は、法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員(施設長を除く。)を、できる限り法第19条第1項各号のいずれかに該当する者とするよう努めるものとする。
3 無料低額宿泊所の職員(施設長を含む。第22条を除き、以下同じ。)その他の無料低額宿泊所の運営に携わる者は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者であってはならない。
(運営規程)
第8条 無料低額宿泊所は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
(1) 施設の目的及び運営の方針
(2) 職員の職種、員数及び職務の内容
(3) 入居定員
(4) 入居者に提供するサービスの内容及び利用料その他の費用の額
(5) 施設の利用に当たっての留意事項
(6) 非常災害対策
(7) その他施設の運営に関する重要事項
2 無料低額宿泊所は、運営規程を定め、又は変更したときは、市長に届け出なければならない。
(非常災害対策)
第9条 無料低額宿泊所は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、非常災害に備えるため、少なくとも1年に1回以上、定期的に避難訓練、救出訓練その他必要な訓練を行わなければならない。
(記録の整備)
第10条 無料低額宿泊所は、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者に提供するサービスの状況に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 提供した具体的なサービスの内容等の記録
(2) 第31条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(3) 第32条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
(規模)
第11条 無料低額宿泊所は、5人以上の人員を入居させることができる規模を有するものでなければならない。
(サテライト型住居の設置)
第12条 無料低額宿泊所は、本体となる施設(入居定員が5人以上10人以下のものに限る。以下この条において「本体施設」という。)と一体的に運営される附属施設であって、利用期間が原則として1年以内のもの(入居定員が4人以下のものに限る。以下「サテライト型住居」という。)を設置することができる。
2 サテライト型住居は、本体施設からおおむね20分で移動することができる範囲に設置する等、入居者へのサービス提供に支障がないようにするものとする。
(設備の基準)
第13条 無料低額宿泊所の建物は、建築基準法(昭和25年法律第201号)の規定を遵守するものでなければならない。
2 無料低額宿泊所の建物は、消防法(昭和23年法律第186号)の規定を遵守するものでなければならない。
3 前項に規定するもののほか、無料低額宿泊所は、消火器の設置、自動火災報知設備等の防火に係る設備の整備に努めなければならない。
4 無料低額宿泊所には、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、法第62条第1項に規定する社会福祉施設その他の施設の設備を利用することにより、当該無料低額宿泊所の効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者に提供するサービスに支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
(1) 居室
(2) 炊事設備
(3) 洗面所
(4) 便所
(5) 浴室
(6) 洗濯室又は洗濯場
5 無料低額宿泊所には、必要に応じ、次に掲げる設備その他の施設の円滑な運営に資する設備を設けなければならない。
(1) 共用室
(2) 相談室
(3) 食堂
6 第4項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 居室
ア 一の居室の定員は、1人とすること。ただし、入居者がその者と生計を一にする配偶者その他の親族と同居する等、2人以上で入居させることがサービスの提供上必要と認められる場合は、この限りでない。
イ 地階に設けないこと。
ウ 一の居室の床面積(収納設備を除く。)は、7.43平方メートル以上とすること。
エ 居室の扉は、堅固なものとし、居室ごとに設けること。
オ 出入口は、屋外、廊下又は広間のいずれかに直接面して設けること。
カ 各居室の間仕切壁は、堅固なものとし、天井まで達していること。
(2) 炊事設備 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。
(3) 洗面所 入居定員に適したものを設けること。
(4) 便所 入居定員に適したものを設けること。
(5) 浴室
ア 入居定員に適したものを設けること。
イ 浴槽を設けること。
(6) 洗濯室又は洗濯場 入居定員に適したものを設けること。
(職員配置の基準)
第14条 無料低額宿泊所に置くべき職員の員数は、入居者の数及び提供するサービスの内容に応じた適当数とし、そのうち1人は施設長としなければならない。
2 当該無料低額宿泊所が生活保護法第30条第1項ただし書に規定する日常生活支援住居施設(以下「日常生活支援住居施設」という。)に該当する場合は、前項の規定にかかわらず、日常生活支援住居施設としての職員配置の要件を満たさなければならない。
(入居申込者に対する説明、契約等)
第15条 無料低額宿泊所は、居室の利用その他のサービスの提供の開始に際しては、あらかじめ、入居申込者に対し、運営規程の概要、職員の勤務の体制、当該サービスの内容及び費用その他の入居申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行うとともに、居室の利用に係る契約及びそれ以外のサービスの提供に係る契約をそれぞれ文書により締結しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の契約又は当該契約の更新において、契約期間(1年以内のものに限る。ただし、居室の利用に係る契約については、建物の賃貸借契約(借地借家法(平成3年法律第90号)第38条第1項の規定による建物賃貸借を除く。)の場合は、1年とする。)及び解約に関する事項を定めなければならない。
4 無料低額宿泊所は、第2項の解約に関する事項において、入居者の権利を不当に狭めるような条件を定めてはならない。
5 無料低額宿泊所は、第2項の解約に関する事項において、入居者が解約を申し入れたときは、速やかに当該契約を終了する旨を定めなければならない。
6 無料低額宿泊所は、第1項の契約又は当該契約の更新において、入居申込者に対し、保証人を立てさせてはならない。
ア 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と入居申込者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
8 前項に掲げる方法は、入居申込者がファイルへの記録を出力することにより文書を作成することができるものでなければならない。
9 第7項第1号の電子情報処理組織とは、無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と、入居申込者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
(1) 第7項各号に掲げる方法のうち無料低額宿泊所が使用するもの
(2) ファイルへの記録の方式
(令6条例7・一部改正)
(入退居)
第16条 無料低額宿泊所は、入居予定者の入居に際しては、その者の心身の状況、生活の状況等の把握に努めなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の心身の状況、入居中に提供することができるサービスの内容等に照らし、無料低額宿泊所において日常生活を営むことが困難となったと認められる入居者に対し、その者の希望、その者が退居後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の状態に適合するサービスに関する情報の提供を行うとともに、適切な他のサービスを受けることができるよう必要な援助に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者の退居に係る援助に際しては、福祉事務所等の都道府県又は市町村の関係機関、相談等の支援を行う保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者等との密接な連携に努めなければならない。
(利用料の受領)
第17条 無料低額宿泊所は、入居者から利用料として、次に掲げる費用(第7号については、当該無料低額宿泊所が日常生活支援住居施設である場合に限る。)を受領することができる。
(1) 食事の提供に要する費用
(2) 居室使用料
(3) 共益費
(4) 光熱水費
(5) 日用品費
(6) 基本サービス費
(7) 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用
2 前項各号に掲げる利用料の基準は、次のとおりとする。
(1) 食事の提供に要する費用 食材費及び調理等に関する費用に相当する金額とすること。
(2) 居室使用料
ア 当該無料低額宿泊所の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定された金額とすること。
イ アに規定する金額以外に、敷金、権利金、謝金等の金品を受領しないこと。
(3) 共益費 共用部分の清掃、備品の整備等の共用部分の維持管理に要する費用に相当する金額とすること。
(4) 光熱水費 居室及び共用部分に係る光熱水費に相当する金額とすること。
(5) 日用品費 入居者本人が使用する日用品の購入費に相当する金額とすること。
(6) 基本サービス費 入居者の状況把握等の業務に係る人件費、事務費等に相当する金額とすること。
(7) 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用
ア 人件費、事務費等(前号の基本サービス費に係るものを除く。)に相当する金額とすること。
イ 日常生活支援住居施設として受領する委託費を除くこと。
(サービス提供の方針)
第18条 無料低額宿泊所は、入居者の健康保持に努めるほか、当該入居者が安心して生き生きと明るく生活することができるよう、その心身の状況及び希望に応じたサービスの提供を行うとともに、生きがいを持って生活することができるようにするための機会を適切に提供しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者にとって当該無料低額宿泊所全体が1つの住居であることに鑑み、入居者が共用部分を円滑に使用することができるよう配慮した運営を行わなければならない。
3 無料低額宿泊所は、プライバシーの確保に配慮した運営を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所の職員は、入居者に対するサービスの提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、当該入居者に対し、サービスの提供を行う上で必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
(食事)
第19条 無料低額宿泊所は、入居者に食事を提供する場合は、量及び栄養並びに当該入居者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。
(入浴)
第20条 無料低額宿泊所は、入居者に対し、1日に1回の頻度で入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、あらかじめ、当該入居者に対し、当該事情の説明を行うことにより、1週間に3回以上の頻度とすることができる。
(状況把握)
第21条 無料低額宿泊所は、原則として1日に1回以上、入居者に対し、居室への訪問等の方法による状況把握を行わなければならない。
(施設長の責務)
第22条 施設長は、無料低額宿泊所の職員の管理、入退居に係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 施設長は、職員にこの節の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。
(職員の責務)
第23条 無料低額宿泊所の職員は、入居者からの相談に応じるとともに、適切な助言及び必要な支援を行わなければならない。
(勤務体制の確保等)
第24条 無料低額宿泊所は、入居者に対し、適切なサービスを提供することができるよう、職員の勤務体制を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、職員の処遇について、労働に関する法令の規定を遵守するとともに、職員の待遇の向上に努めなければならない。
(定員の遵守)
第25条 無料低額宿泊所は、入居定員及び居室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
(衛生管理等)
第26条 無料低額宿泊所は、入居者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所において感染症、食中毒又は害虫が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(日常生活に係る金銭管理)
第27条 入居者の金銭の管理は、当該入居者本人が行うことを原則とする。ただし、金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するものに対し、次に掲げるところにより無料低額宿泊所が、日常生活に係る金銭を管理することを妨げない。
(1) 成年後見制度その他の金銭の管理に係る制度をできる限り活用すること。
(2) 無料低額宿泊所が管理する金銭は、当該入居者に係る金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「金銭等」という。)であって、日常生活を営むために必要な金額に限ること。
(3) 金銭等を無料低額宿泊所が有する他の財産と区分すること。
(4) 金銭等は、当該入居者の意思を尊重して管理すること。
(5) 第15条第1項の契約とは別に、当該入居者の日常生活に係る金銭等の管理に係る事項のみを内容とする契約を締結すること。
(6) 金銭等の出納を行う場合は、無料低額宿泊所の職員が2人以上で確認を行う等の適切な体制を整備すること。
(7) 入居者ごとに金銭等の収支の状況を明らかにする帳簿を整備するとともに、収支の記録について定期的に入居者本人に報告を行うこと。
(8) 当該入居者が退居する場合には、速やかに、管理する金銭等を当該入居者に返還すること。
(9) 金銭等の詳細な管理方法、入居者本人に対する収支の記録の報告方法等について管理規程を定めること。
(10) 前号の管理規程を定め、又は変更したときは、市長に届け出ること。
(11) 当該入居者が被保護者である場合は、当該入居者の金銭等の管理に係る契約の締結時又は変更時には、福祉事務所にその旨の報告を行うこと。
(12) 金銭等の管理の状況について、市長の求めに応じて速やかに報告することができる体制を整えておくこと。
(掲示及び公表)
第28条 無料低額宿泊所は、入居者の見やすい場所に、運営規程の概要、職員の勤務の体制その他入居者のサービスの選択に資すると認められる事項を掲示しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、運営規程を公表するとともに、毎会計年度終了後3月以内に、貸借対照表、損益計算書等の収支の状況に係る書類を公表しなければならない。
(秘密保持等)
第29条 無料低額宿泊所の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らしてはならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を講じなければならない。
(広告)
第30条 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所について広告をする場合は、その内容が虚偽のもの又は誇大なものであってはならない。
(苦情への対応)
第31条 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関する入居者の苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関し、市長から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所は、市長からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市長に報告しなければならない。
5 無料低額宿泊所は、法第83条に規定する運営適正化委員会が行う法第85条第1項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(事故発生時の対応)
第32条 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市、当該入居者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
第3章 被保護者等住居・生活サービス提供事業に関する規制
(被保護者等住居・生活サービス提供事業の開始等の届出)
第34条 法第22条に規定する社会福祉法人である事業者(第2条第5項第2号オに掲げる事業を行う者を除く。以下この条において同じ。)は、被保護者等住居・生活サービス提供事業を開始したときは、当該被保護者等住居・生活サービス提供事業の開始の日から1月以内に、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 施設の名称
(2) 事業者の氏名又は名称及び住所又は主たる事務所の所在地
(3) 定款その他の基本約款
(4) 建物その他の設備の規模及び構造
(5) 事業開始の年月日
(6) 施設の管理者及び実務を担当する責任者の氏名
(7) 住居等又は生活サービスを必要とする者に対する処遇の方法
2 法第22条に規定する社会福祉法人以外の事業者は、被保護者等住居・生活サービス提供事業を開始しようとするときは、当該被保護者等住居・生活サービス提供事業の開始前に、前項各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
3 第1項の規定による届出をした事業者は、その届け出た事項に変更を生じたときは、変更の日から1月以内に、その旨を市長に届け出なければならない。
(被保護者等住居・生活サービス提供事業を行う施設の管理者)
第35条 事業者は、被保護者等住居・生活サービス提供事業を行う施設に専任の管理者を置かなければならない。ただし、被保護者等住居・生活サービス提供事業の適正な運営に支障がない場合は、当該被保護者等住居・生活サービス提供事業を行う施設の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事する者を管理者とすることができる。
(被保護者等の虐待防止)
第36条 事業者は、被保護者等住居・生活サービス提供事業を行うに当たっては、被保護者等の権利利益を侵害することがないよう、被保護者等に対する身体的虐待(被保護者等の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えることをいう。)、心理的虐待(被保護者等に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の被保護者等に著しい心理的外傷を与える言動を行うことをいう。)、経済的虐待(被保護者等の財産を不当に処分することその他当該被保護者等から不当に財産上の利益を得ることをいう。)その他の虐待の防止に関する取組を推進しなければならない。
(改善命令)
第37条 市長は、被保護者等住居・生活サービス提供事業を行う施設が第41条において準用する規定に定める基準に適合しないと認められるに至ったときは、その事業者に対し、当該基準に適合するために必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
(勧告)
第39条 市長は、事業者が第36条の規定に違反していると認めるときは、当該事業者に対し、期限を定めて、事業者と被保護者等との間で締結される被保護者等住居・生活サービス提供事業に係る契約の適正な履行その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(公表)
第40条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
2 市長は、前項の規定により公表しようとする場合は、当該公表の相手方に対し、意見を述べる機会を付与しなければならない。
第4章 雑則
(報告の徴収及び立入検査等)
第42条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し、必要と認める事項の報告を求め、又はその職員に、事業者の事務所その他の施設に立ち入り、施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、その他事業経営の状況を調査させることができる。
2 前項の規定により立入検査その他事業経営の状況の調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(保護の実施機関への情報の提供)
第43条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に関する情報その他の必要な情報を、生活保護法第19条第4項に規定する保護の実施機関に提供するものとする。
(委任)
第45条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
附則
(川越市被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例の廃止)
2 川越市被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例(平成25年条例第17号)は、廃止する。
(居室に関する経過措置)
3 この条例の施行の際現に生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成30年法律第44号)第5条の規定による改正前の法(次項及び附則第6項において「旧法」という。)第69条第1項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が事業の用に供している建物(基本的な設備が完成しているものを含み、この条例の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、第13条第6項第1号ア及びエからカまでの規定は、この条例の施行後3年間は、適用しない。
4 この条例の施行の際現に旧法第69条第1項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が平成25年9月30日において事業の用に供していた建物(基本的な設備が完成しているものを含み、平成25年10月1日以降に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)の居室のうち、第13条第6項第1号ウに規定する基準を満たさないもの(居室の床面積が、収納設備を除き、4.95平方メートル未満のものに限る。)については、同号ウの規定にかかわらず、当分の間、次に掲げる事項を満たすことを条件として、無料低額宿泊所としての利用に供することができる。
(1) 居室の床面積が、収納設備等を除き、3.3平方メートル以上であること。
(2) 入居予定者に対し、あらかじめ、居室の床面積が第13条第6項第1号ウに規定する基準を満たさないことを記した文書を交付して説明を行い、同意を得ること。
(3) 入居者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。
(4) 第13条第5項第1号の規定にかかわらず、共用室を設けること。
(5) 居室の床面積の改善についての計画を、市長と協議の上作成すること。
(6) 前号の規定により作成した計画を市長に提出するとともに、段階的かつ計画的に第13条第6項第1号ウに規定する基準を満たすよう必要な改善を行うこと。
6 この条例の施行の際現に旧法第69条第1項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が平成27年10月31日において事業の用に供していた建物(基本的な設備が完成しているものを含み、平成27年11月1日以降に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)の居室のうち、第13条第6項第1号ウに規定する基準を満たさないもの(居室の床面積が、収納設備を除き、4.95平方メートル以上のものに限る。)について、当該建物に居住している者を引き続き当該建物に居住等をさせなければ、その者の住居等の確保が困難となるおそれがあると市長が認めるときは、当該おそれがある間における当該建物に係る同号ウの規定の適用については、同号ウ中「7.43平方メートル」とあるのは、「4.95平方メートル」とする。
(罰則に関する経過措置)
8 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(令和6年3月19日条例第7号)
この条例は、公布の日から施行する。