○川越市債権管理条例

平成三十年八月三十一日

条例第五十一号

(目的)

第一条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の一層の適正化及び効率化を図り、もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号。以下「法」という。)第二百四十条第四項第三号から第八号までに掲げる債権を除く。)をいう。

 強制徴収公債権 市の債権のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定に基づく徴収金に係るもの及び法令の規定に基づき国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。

 非強制徴収公債権 市の債権のうち、法第二百三十一条の三第一項に規定する歳入に係る債権で、強制徴収公債権以外のものをいう。

 私債権 市の債権のうち、強制徴収公債権及び非強制徴収公債権以外のものをいう。

(法令等との関係)

第三条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくは規則(法第百三十八条の四第二項に規定する規程及び地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)第十条に規定する企業管理規程を含む。次条において同じ。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(市長等の責務)

第四条 市長及び上下水道事業管理者(以下「市長等」という。)は、法令又は条例若しくは規則(第六条及び第八条において「法令等」という。)の定めるところにより、市の債権を適正に管理するものとする。

(台帳の整備)

第五条 市長等は、市の債権を適正に管理するため、規則で定める事項を記載した台帳(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)を整備するものとする。ただし、市長等が特に必要がないと認めるときは、この限りでない。

(督促)

第六条 市長等は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令等の定めるところにより、これを督促するものとする。

(情報の利用)

第七条 市長等は、履行期限までに履行されていない市の債権がある場合において、当該市の債権の管理に関する事務を効果的に行うため必要があると認めるときは、当該事務の遂行に必要な限度で、当該債務者の規則で定める情報を、その保有するに当たって特定された利用の目的以外の目的のために利用し、又は相互に提供し、若しくは収集することができる。

2 市長等は、前項の規定により利用し、又は収集した情報を当該市の債権の管理に関する事務以外の事務に利用してはならない。

3 市長等は、第一項の規定により利用し、又は収集した情報を当該市の債権の管理に関する事務に利用する場合は、当該債務者及び第三者の権利利益を不当に侵害することのないようにしなければならない。

(滞納処分等)

第八条 市長等は、強制徴収公債権について、滞納処分その他その保全及び取立てに関し必要な措置並びに徴収猶予、換価の猶予及び滞納処分の停止については、法令等の定めるところにより、これを行うものとする。

(強制執行等)

第九条 市長等は、非強制徴収公債権及び私債権(次項及び次条において「非強制徴収債権」という。)について、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号。次項及び次条において「令」という。)第百七十一条の二から第百七十一条の四までの規定により、その強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとるものとする。

2 市長等は、非強制徴収債権について、令第百七十一条の五から第百七十一条の七までの規定により、その徴収停止、履行期限の延長又は当該非強制徴収債権及びこれに係る損害賠償金等(既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金をいう。次条において同じ。)の免除をすることができる。

(債権の放棄)

第十条 市長等は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該非強制徴収債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。ただし、非強制徴収債権(同一の債務者に係る同一の名称の非強制徴収債権に限る。)の額の総額が五十万円以上の場合は、この限りでない。

 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の適用を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、当該非強制徴収債権について債務の履行の見込みがないと認められるとき。

 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄した場合又は相続人が存在しない場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに当該非強制徴収債権に優先して弁済を受ける市の債権及び市以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

 債務者である法人について破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百十六条第一項又は第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。

 破産法第二百五十三条第一項、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百四条第一項その他の法令の規定により、債務者が当該非強制徴収債権につきその責任を免れたとき。

 当該非強制徴収債権について、令第百七十一条の二の規定による強制執行等又は令第百七十一条の四の規定による債権の申出等の措置をとっても、なお完全に履行されなかった場合において、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、債務の履行の見込みがないと認められるとき。

 当該非強制徴収債権について、令第百七十一条の五の規定による徴収停止の措置をとった場合において、当該措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお債務を履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。

 当該私債権について、消滅時効に係る時効期間が経過した場合において、次のいずれかに該当するとき。

 債務者に強制執行の対象となる財産がないと認められるとき。

 強制執行をした場合に、債務者の生活を著しく窮迫させるおそれがあると認められるとき。

 債務者の所在及び強制執行の対象となる財産がともに不明であると認められるとき。

 債務者が死亡し、かつ、相続人全員が相続放棄をしたとき又は相続人が存在しないとき。

2 市長は、前項の規定により市長等が債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。

(委任)

第十一条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成三十一年一月一日から施行する。

川越市債権管理条例

平成30年8月31日 条例第51号

(平成31年1月1日施行)