○川越市手話言語条例

平成三十年六月二十九日

条例第五十号

国際連合総会で採択された障害者の権利に関する条約においては、言語には手話その他の非音声言語を含むことが明記されている。我が国においても、平成二十三年に改正された障害者基本法において手話が言語として位置付けられ、国内法の整備を経て、平成二十六年に障害者の権利に関する条約を批准している。しかしながら、手話に対する理解が社会において深まっているとは、必ずしも言えない現状がある。

ここに、私たちは、手話が言語であることを認識し、手話の普及に努め、ろう者とろう者以外の者が共に暮らしやすい川越市を目指し、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進及び手話の普及並びに手話を使用しやすい環境の整備に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話に関する施策を推進することにより、ろう者とろう者以外の者が共生することのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第二条 手話に対する理解の促進及び手話の普及並びに手話を使用しやすい環境の整備は、次に掲げる事項を基本理念として行わなければならない。

 手話が、ろう者が生活を営むために使用している言語であって、豊かな人間性を育み、知的かつ心豊かな生活を送るための言語活動の文化的所産であることを理解すること。

 ろう者とろう者以外の者が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生すること。

 ろう者が手話により意思疎通を行う権利を尊重すること。

(市の責務)

第三条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話に対する理解の促進及び手話の普及並びに手話を使用しやすい環境の整備をするため、必要な施策を実施するものとする。

(市民の役割)

第四条 市民は、基本理念に対する理解を深め、市の施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第五条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、市の施策に協力するよう努めるとともに、ろう者が利用しやすいサービスの提供及びろう者が働きやすい環境の整備に努めるものとする。

(施策の推進方針)

第六条 市は、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための方針(以下「推進方針」という。)を定めるものとする。

2 市は、推進方針を定めるに当たっては、市が別に定める障害者の福祉に関する計画との整合性を図るものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

川越市手話言語条例

平成30年6月29日 条例第50号

(平成30年6月29日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成30年6月29日 条例第50号