○川越市廃棄物処理施設設置等紛争の予防及び調整条例

平成十九年三月二十日

条例第十号

(目的)

第一条 この条例は、廃棄物処理施設の設置等に係る計画の事前公開及び紛争解決のためのあっせんに関し必要な事項を定めることにより、紛争の予防及び調整を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 廃棄物処理施設 次のいずれかに該当する施設をいう。

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)第七条第五項第三号に規定するその事業の用に供する施設(積替え又は保管のための施設に限る。)

 法第七条第十項第三号に規定するその事業の用に供する施設

 法第八条第一項に規定する一般廃棄物処理施設

 法第十四条第五項第一号に規定するその事業の用に供する施設(積替え又は保管のための施設に限る。)

 法第十四条第十項第一号に規定するその事業の用に供する施設

 法第十四条の四第五項第一号に規定するその事業の用に供する施設(積替え又は保管のための施設に限る。)

 法第十四条の四第十項第一号に規定するその事業の用に供する施設

 法第十五条第一項に規定する産業廃棄物処理施設

 廃棄物処理施設の設置等 廃棄物処理施設を新たに設置し、又は廃棄物処理施設の変更(法第七条の二第一項、第九条第一項、第十四条の二第一項、第十四条の五第一項又は第十五条の二の六第一項の規定による変更の許可に係るものに限る。)をすることをいう。

 紛争 廃棄物処理施設の設置等に伴って生ずるおそれのある生活環境の保全上の支障に関して設置者と関係住民との間で生ずる争いをいう。

 設置者 廃棄物処理施設の設置等をしようとする者をいう。

 関係地域 第六条第一項の規定により定められた地域をいう。

 関係住民 関係地域内において居住する者、関係地域内において事業活動を行う者その他規則で定める利害関係を有する者をいう。

(平二三条例四・一部改正)

(市の責務)

第三条 市は、廃棄物処理施設の設置等が適正かつ円滑に行われるように、設置者に対し関係地域の生活環境の保全に十分配慮するよう指導又は助言を行うとともに、関係住民に対し廃棄物処理施設の必要性等に対する理解が得られるよう啓発に努めるものとする。

2 市は、紛争の予防に努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正にその調整を図るものとする。

(設置者及び関係住民の責務)

第四条 設置者は、廃棄物処理施設の設置等に当たっては、関係地域の生活環境の保全に十分配慮するとともに、紛争を未然に防止するよう努めなければならない。

2 設置者及び関係住民は、相互の立場を尊重し、紛争が生じたときは自主的に解決するよう努めるとともに、紛争の予防及び調整に関して市が行う施策に協力するよう努めなければならない。

(事業計画書の提出)

第五条 設置者は、廃棄物処理施設の設置等を行おうとするときは、規則で定めるところにより、廃棄物処理施設の設置等に係る計画(以下「事業計画」という。)を記載した書類(以下「事業計画書」という。)を市長に提出しなければならない。

2 事業計画書には、規則で定めるところにより、当該廃棄物処理施設の設置等をすることが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果並びに当該調査の結果に基づく生活環境の保全のための措置及びその予想される効果を記載した書類(以下「生活環境保全対策書」という。)を添付しなければならない。

3 第一項の規定による事業計画書の提出は、当該廃棄物処理施設の設置等に係る法に基づく申請の前にしなければならない。

(関係地域の設定)

第六条 市長は、事業計画書の提出があったときは、規則で定めるところにより、廃棄物処理施設の設置等に伴い生活環境の保全上の支障が生ずるおそれがある地域を関係地域として定めるものとする。

2 市長は、前項の規定により関係地域を定めたときは、速やかに、その旨を設置者に通知するものとする。

(告示及び縦覧)

第七条 市長は、前条第一項の規定により関係地域を定めたときは、速やかに、事業計画書の提出があった旨、関係地域その他規則で定める事項を告示し、事業計画書及び生活環境保全対策書を当該告示の日から一月間、規則で定めるところにより、縦覧に供しなければならない。

(周知計画書の提出)

第八条 設置者は、第六条第二項の規定による通知を受けたときは、速やかに、関係住民を対象とした事業計画についての説明会(第十二条第二項を除き、以下「説明会」という。)の開催その他の周知方法に関する事項を記載した書類(以下「周知計画書」という。)を市長に提出しなければならない。

(説明会の開催等)

第九条 設置者は、規則で定めるところにより、第七条に規定する縦覧期間内に説明会を開催しなければならない。ただし、当該縦覧期間後において説明会を開催することについて正当な理由があると市長が認めるときは、この限りでない。

2 説明会は、関係地域内において開催しなければならない。ただし、関係地域内に説明会を開催する適当な場所がないと市長が認めるときは、この限りでない。

3 設置者は、説明会の開催のほか、関係住民に対し、事業計画の概要を記載した書類の配布その他の方法により、事業計画について周知するよう努めなければならない。

4 市長は、関係職員を説明会に立ち会わせることができる。

(実施状況報告書の提出)

第十条 設置者は、前条第一項から第三項までの規定により関係住民に対し事業計画について周知を行ったときは、速やかに、その実施状況について、規則で定めるところにより、報告書を市長に提出しなければならない。

(関係住民の意見書の提出)

第十一条 事業計画について生活環境の保全上の見地からの意見を有する関係住民は、第七条に規定する縦覧期間の満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日(同条に規定する縦覧期間の満了の日までに説明会が終了しない場合にあっては、当該説明会が終了した日の翌日から起算して二週間を経過する日)までに、規則で定めるところにより、意見書を市長に提出することができる。

2 市長は、前項の意見書の提出があったときは、速やかに、その写し又は意見の要旨を記載した書類(以下「意見書等」という。)を設置者に送付するものとする。

(見解書の提出)

第十二条 設置者は、前条第二項の規定により意見書等の送付を受けたときは、規則で定めるところにより、速やかに、意見書等に対する見解を記載した書類(以下「見解書」という。)を市長に提出しなければならない。

2 設置者は、前項の規定により見解書を提出したときは、当該見解書に関する説明会の開催その他の方法により、関係住民に対し、当該見解書について周知を図らなければならない。

3 設置者は、前項の規定により関係住民に対し見解書について周知を行ったときは、速やかに、その実施状況について、規則で定めるところにより、報告書を市長に提出しなければならない。

(指導又は助言)

第十三条 市長は、第十一条第一項の意見書及び見解書に十分配慮し、関係地域の生活環境の保全上の見地から、設置者に対し、事業計画について必要な指導又は助言を行うものとする。

2 市長は、前項の指導又は助言を行おうとするときは、必要に応じて第二十一条第一項に規定する川越市廃棄物処理施設設置等調整委員会の意見を聴くものとする。

(事業計画書等の変更の届出)

第十四条 設置者は、事業計画書、生活環境保全対策書又は周知計画書の内容を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

2 前項に規定する変更(規則で定める変更を除く。)については、第五条から前条までの規定の例によるものとする。

(事業計画の廃止の届出等)

第十五条 設置者は、事業計画を廃止しようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

2 市長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。

(生活環境保全協定の締結)

第十六条 設置者は、廃棄物処理施設の設置等に関し、関係地域の生活環境の保全上必要な事項を内容とする協定を関係住民と第五条第三項に規定する申請を行う前に締結するよう努めなければならない。

2 関係住民は、前項の協定の締結について協力するものとする。

3 市長は、第一項の協定の締結に際し、その内容について必要な助言を行うことができる。

(あっせん)

第十七条 設置者又は関係住民は、紛争が自主的な解決に至らなかったときは、規則で定めるところにより、市長にあっせんの申請をすることができる。

2 市長は、前項の申請があった場合は、あっせんを行うものとする。ただし、この条例に規定する手続を誠実に遵守していない者からの申請であるときその他紛争の性質上市長があっせんを行うことが適当でないと認めるときは、この限りでない。

3 市長は、あっせんを行うことを決定したときは、速やかに、その旨を設置者及び関係住民に通知するものとする。

4 市長は、あっせんのため必要があると認めるときは、設置者及び関係住民に対し、意見を聴き、又は必要な資料の提出を求めることができる。

5 市長は、あっせんを行う場合においては、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めるものとする。この場合において、市長は、必要に応じて第二十一条第一項に規定する川越市廃棄物処理施設設置等調整委員会の意見を聴くものとする。

(あっせんの打切り)

第十八条 市長は、あっせんに係る紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。

2 市長は、前項の規定によりあっせんを打ち切ったときは、その旨を設置者及び関係住民に通知するものとする。

(施設の公開)

第十九条 廃棄物処理施設の設置等をした者は、関係住民の求めに応じて、当該廃棄物処理施設を公開するよう努めなければならない。

(廃棄物処理施設の承継)

第二十条 廃棄物処理施設の設置等をした者から当該廃棄物処理施設に係る権利を承継しようとする者(以下「承継者」という。)は、当該廃棄物処理施設について第十六条第一項の協定が締結されているときは、事業の実施に当たり、当該協定の内容を遵守するよう努めなければならない。

2 承継者は、廃棄物処理施設に関し、関係住民から新たに関係地域の生活環境の保全上必要な事項を内容とする協定を締結することについて要請があったときは、誠意をもって対応しなければならない。

3 市長は、関係住民が承継者と前項の協定を締結しようとするときは、その内容について必要な助言を行うことができる。

(川越市廃棄物処理施設設置等調整委員会)

第二十一条 市長の諮問に応じ、紛争の予防及び調整に係る重要事項について調査し、及び審議するため、川越市廃棄物処理施設設置等調整委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、委員四人以内で組織し、法律又は廃棄物の処理に関し専門知識を有する者のうちから市長が委嘱する。

3 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(報告の徴収)

第二十二条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、設置者に対し、報告を求めることができる。

(勧告)

第二十三条 市長は、設置者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該設置者に対し、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

 事業計画書若しくは生活環境保全対策書の提出をせず、又は虚偽の事業計画書若しくは生活環境保全対策書の提出をしたとき。

 説明会を正当な理由がなく開催しないとき。

 見解書を正当な理由がなく提出しないとき。

 前三号に掲げるもののほか、この条例に規定する手続の全部若しくは一部を正当な理由がなく行わず、又は不正若しくは不誠実な方法によりこれを行ったとき。

(公表)

第二十四条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

2 前項の規定により公表しようとする場合は、当該公表の相手方について、意見を述べる機会を付与しなければならない。

(適用除外)

第二十五条 この条例は、次に掲げる廃棄物処理施設については、適用しない。

 移動式の廃棄物処理施設(規則で定めるものを除く。)

 設置者が市である場合の当該廃棄物処理施設

(委任)

第二十六条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成十九年七月一日から施行する。

(平成二三年三月一六日条例第四号)

この条例は、平成二十三年四月一日から施行する。

川越市廃棄物処理施設設置等紛争の予防及び調整条例

平成19年3月20日 条例第10号

(平成23年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第3章
沿革情報
平成19年3月20日 条例第10号
平成23年3月16日 条例第4号