○川越市土砂のたい積等の規制に関する条例
平成14年12月24日
条例第38号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 土砂のたい積(第7条―第20条)
第3章 土砂の搬入禁止(第21条―第23条)
第4章 雑則(第24条―第28条)
第5章 罰則(第29条―第34条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、土砂のたい積等に関し、必要な規制を行うことにより、無秩序な土砂のたい積を防止し、もって市民の生活の安全の確保及び生活環境の保全に寄与することを目的とする。
(1) 建設工事 建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第1項に規定する建設工事をいう。
(2) 発注者 建設工事(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者をいう。
(3) 元請負人 発注者から直接建設工事を請け負った者又は請負契約によらないで自ら建設工事を行う者をいう。
(4) 土砂のたい積 埋立て、盛土その他の土地への土砂のたい積(製品の製造又は加工のための原材料のたい積を除く。)をいう。
(市の責務)
第3条 市は、無秩序な土砂のたい積を防止するため、必要な施策を推進するものとする。
2 市は、無秩序な土砂のたい積を防止するため、土砂のたい積の状況を把握するとともに、土砂のたい積を監視する体制の整備に努めるものとする。
(発注者の責務)
第4条 発注者は、その注文する建設工事に伴って発生する土砂に関し、元請負人に対して、その適正な処理を指示するとともに、その処理に要する費用の適正な負担を行うことにより、土砂の再利用の促進に努めなければならない。
(元請負人の責務)
第5条 元請負人は、請負契約の内容等を踏まえて、建設工事の施工方法等を工夫することにより、建設工事に伴って発生する土砂の排出量の抑制に努めるとともに、土砂と他の物との分別その他必要な措置を講ずることにより、土砂の再利用に努めなければならない。
(土地所有者等の責務)
第6条 土地の所有者、管理者又は占有者(以下「土地所有者等」という。)は、土砂のたい積を行う者に対して土地を提供しようとするときは、当該土砂のたい積による災害が発生するおそれのないことを確認し、そのおそれのある土砂のたい積を行う者に対して当該土地を提供することのないよう努めなければならない。
第2章 土砂のたい積
(災害発生防止のための措置)
第7条 土地所有者等は、無秩序な土砂のたい積により、土砂の流出、崩壊その他の災害が発生することのないよう、当該土地を適正に管理しなければならない。
2 土砂のたい積を行う者は、そのたい積に係る土砂の流出、崩壊その他の災害の発生の防止のため、必要な措置を講ずるとともに、土砂のたい積を行う土地の周辺の生活環境の保全に配慮しなければならない。
(汚染された土砂のたい積の禁止)
第8条 土砂のたい積を行う者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の規則で定める物質(以下この条において「有害物質」という。)による汚染の状態が規則で定める基準(次項において「土壌基準」という。)に適合しない土砂を土砂のたい積に使用してはならない。ただし、規則の定めるところにより、土砂のたい積の場所、方法等からみて当該土砂の有害物質による人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の市長の確認を受けたときは、この限りでない。
2 市長は、土壌基準に適合しない土砂が土砂のたい積(前項ただし書の確認を受けたものを除く。)に使用され、又は使用されているおそれがあると認めるときは、土砂のたい積を行っている者又は土砂のたい積に係る工事を請け負った者若しくは工事を行っている者に対し、直ちに当該土砂のたい積を停止し、又は現状を保全するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
3 市長は、第1項ただし書の確認をした場合において、その後の事情により、当該確認に係る土砂のたい積に使用された土砂の有害物質により人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるに至ったときは、土砂のたい積を行っている者又は土砂のたい積に係る工事を請け負った者若しくは工事を行っている者に対し、当該土砂のたい積を停止し、又は現状を保全するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(土砂のたい積の許可)
第9条 土砂のたい積を行おうとする者は、土砂のたい積に係る土地の区域ごとに土砂のたい積に関する計画を定め、市長の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる土砂のたい積については、この限りでない。
(1) 土砂のたい積に係る土地の区域の面積が500平方メートル未満の土砂のたい積
(2) 土地の造成その他の事業の区域内において行う土砂のたい積で当該事業の区域における土砂のみを使用して行うもの
(3) 法令又は他の条例の規定による許可等の処分その他の行為で規則で定めるものに係る行為として行う土砂のたい積であって、規則の定めるところにより、市長に届け出たもの
(4) 公益性が高いと認められる事業の実施に係る行為のうち無秩序な土砂のたい積となるおそれがないものとして規則で定めるものに係る土砂のたい積
(5) 災害復旧のために必要な応急措置として行う土砂のたい積
(6) 法令若しくは条例又はこれらに基づく処分による義務の履行に伴う土砂のたい積
(7) その他無秩序な土砂のたい積のおそれがないものとして規則で定める土砂のたい積
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 土砂のたい積に係る土地の区域の所在及び面積
(3) 土砂のたい積の目的
(4) 土砂のたい積に係る建設工事の元請負人
(5) 最大たい積時において土砂のたい積に使用する土砂の数量
(6) 最大たい積時における土地の形状
(7) 土砂のたい積の完了時における土地の形状
(8) 土砂のたい積に使用する土砂の採取場所並びに当該採取場所からの搬入予定数量及び搬入計画に関する事項
(9) 周辺の生活環境の保全のための方策
(10) 掘削を伴う土砂のたい積の場合にあっては、地下水の保全に配慮するための方策
(11) 排水施設その他の土砂の流出及び崩壊を防止する施設の計画
(12) 前号に掲げるもののほか、災害、事故等の防止のためにとる措置
(13) 土砂のたい積を行う期間
(14) その他規則で定める事項
3 第1項の許可の申請には、当該申請に係る土砂のたい積に係る土地の区域を示す図面その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(住民への周知)
第10条 前条第1項の許可の申請をした者は、その概要を当該申請に係る土砂のたい積に係る土地の区域の周辺の住民に周知させるよう努めなければならない。
(1) 土砂の最大たい積時及びたい積の完了時においてたい積する土砂の高さ及びのり面のこう配
(2) 排水施設、擁壁その他の施設
(3) 地形、地質又は周囲の状況に応じ配慮すべき事項又は講ずべき措置
(1) 土砂の最大たい積時及びたい積の完了時においてたい積する土砂の高さ及びのり面のこう配
(2) 地形、地質又は周囲の状況に応じ配慮すべき事項又は講ずべき措置
(1) 土砂のたい積に関する計画を実施するために必要な資力及び信用があると認められないとき。
(2) 土砂のたい積に関する計画の実施の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていないとき。
4 市長は、第9条第1項の許可には、夜間における土砂のたい積の禁止その他生活環境の保全のための必要な条件を付けることができる。
(許可の取消し)
第14条 市長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。
(3) 第9条第1項の許可を受けた日から起算して1年を経過する日までに当該許可に係る土砂のたい積に着手しなかったとき。
(4) 第9条第1項の許可に係る土砂のたい積に着手した日後1年を超える期間引き続き土砂のたい積を行っていないとき。
(標識の掲示)
第15条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積を行っている間、当該土砂のたい積に係る土地の区域内の公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を掲示しなければならない。
2 前項の標識を掲示した者は、当該標識に記載した事項に変更が生じた場合には、遅滞なく、記載した事項を書き換えなければならない。
(関係書類の閲覧)
第16条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積を行っている間、この章の規定により市長に提出した書類のうち規則で定める書類の写しを、土砂のたい積に関し生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、規則で定めるところにより、閲覧させなければならない。
(着手の届出)
第17条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積に着手したときは、着手した日から起算して10日以内にその旨を市長に届け出なければならない。
(定期報告)
第18条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積の着手の日から当該土砂のたい積の完了又は廃止の日までの期間を当該着手の日から3月ごとに区分した各期間(最後に3月未満の区分した期間が生じた場合には、その期間とする。以下この項において同じ。)ごとに、当該各期間の経過後20日以内に、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 許可年月日及び許可番号
(3) 土砂のたい積に係る土地の区域の所在及び面積
(4) 当該各期間内に搬入した土砂の採取場所及び当該採取場所ごとの数量
2 前項の規定による届出には、土砂の採取場所の責任者の発行した当該採取場所を証明する書類その他規則で定める書類を添付しなければならない。ただし、規則で定める場合は、この限りでない。
(たい積に係る土地の汚染調査)
第19条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積の着手の日から起算して6月ごと(土砂のたい積の着手の日から当該土砂のたい積の完了又は廃止の日までの期間が6月に満たない場合にあっては、当該土砂のたい積の完了又は廃止のとき)に、当該土砂のたい積に係る土地の区域の土砂について、規則の定めるところにより、汚染の状況についての調査を行い、その結果を市長に届け出なければならない。
(完了等の届出)
第20条 許可事業者は、当該許可に係る土砂のたい積を完了したときは、当該土砂のたい積の完了の日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない、当該土砂のたい積を廃止したときも、同様とする。
第3章 土砂の搬入禁止
(土砂搬入禁止区域の指定)
第21条 市長は、土砂のたい積が行われている土地において、土砂のたい積が継続することにより、人の生命、身体又は財産を著しく害する事態が生ずるおそれがあり、かつ、法令又は他の条例の規定によっては当該事態を回避することが困難であると認める場合は、6月を超えない範囲内で期間を定めて、当該土地を土砂の搬入を禁止する土地の区域(以下この章において「土砂搬入禁止区域」という。)として指定することができる。
2 市長は、前項の規定により土砂搬入禁止区域を指定したときは、規則の定めるところにより、その旨を公示するものとする。
(土砂の搬入禁止)
第22条 何人も、土砂搬入禁止区域に土砂を搬入してはならない。
(土砂搬入禁止区域の指定の解除)
第23条 市長は、土砂搬入禁止区域の指定の事由が消滅したと認めるときは、速やかに当該土砂搬入禁止区域の指定を解除するものとする。
第4章 雑則
(措置命令)
第24条 市長は、許可事業者が当該許可(第12条第1項の許可を受けた者にあっては、その許可)を受けた土砂のたい積に関する計画に従って土砂のたい積を行っていないと認めるときは、当該許可を受けた者に対し、期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(土地所有者等に対する勧告)
第25条 市長は、土砂のたい積が行われた土地において、土砂の流出、崩壊その他の災害により、人の生命、身体又は財産を著しく害する事態が生ずるおそれがあると認めるときは、その土地所有者等に対し、土砂の流出、崩壊その他の災害を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3 前項の規定により公表しようとする場合は、当該公表の相手方について、意見を述べる機会を付与しなければならない。
(報告等の徴収)
第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、発注者、元請負人、土砂のたい積を行う者、土砂のたい積に係る土地所有者等その他の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査)
第27条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、発注者、元請負人又は土砂のたい積を行う者の事務所、事業所又は土砂のたい積の場所に立ち入り、工事その他の行為の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、検査のために必要最小限度の分量に限りたい積の場所の土砂を無償で収去させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(2) 第24条第2項の規定による命令に違反した者
第31条 第22条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第32条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(1) 第15条第1項の規定に違反して標識を掲示しなかった者
(3) 第26条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
附則
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。