○川越市自転車放置防止条例

昭和六十二年三月二十八日

条例第一号

(目的)

第一条 この条例は、公共の場所における自転車の放置による市民の生活環境の障害を防止するため必要な事項を定めることにより、その良好な生活環境を保持することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 公共の場所 道路、公園、駅前広場その他公共の用に供する場所で、自転車駐車場(一定の区画を限つて設置される自転車の駐車のための施設をいう。)以外の場所をいう。

 生活環境 公共の場所における人若しくは物の移動又は災害の防止等の活動が円滑に行われるために必要な公共空間の維持及び美観の状態をいう。

 自転車 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第十一号の二に規定する自転車をいう。

 放置 自転車の利用者が当該自転車を離れて直ちに移動させることができない状態にあることをいう。

 大型店舗等 百貨店、スーパーマーケット、銀行、遊技場等自転車の大量駐車需要を生じさせる施設をいう。

(市長の責務)

第三条 市長は、地域の自転車利用の状況を勘案して自転車駐車場の設置に努めるとともに、自転車の放置の防止に関する指導及び啓もうに努めるものとする。

2 市長は、公共の場所における自転車の放置の防止に関する施策を実施するため必要と認めるときは、県、道路管理者、警察、鉄道事業者その他関係機関と協議するとともに、協力を要請することができる。

3 市長は、民営自転車駐車場事業の育成を図るため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

(利用者等の責務)

第四条 自転車の利用者又は所有者(以下「利用者等」という。)は、公共の場所に自転車を放置してはならない。

2 利用者等は、当該自転車に自己の住所及び氏名を明記するなど利用者等が確認できる表示をしなければならない。

(施設の設置者の責務)

第五条 官公署、学校、図書館等公共公益的施設の設置者及び大型店舗等の設置者は、当該施設の利用者のために必要な自転車駐車場を設置するよう努めるとともに、市長が実施する施策に協力しなければならない。

2 大型店舗等の設置者は、第十条の規定により市長が講ずる措置について協力するとともに、自ら放置自転車の整理等の措置を講ずるよう努めなければならない。

(鉄道事業者等の責務)

第六条 鉄道事業者及びバス事業者は、その利用者のために自ら自転車駐車場の設置に努めなければならない。

2 鉄道事業者は、市長から自転車駐車場設置のため鉄道用地の提供について申入れがあつたときは、当該鉄道用地の譲渡、貸付けその他の措置を講ずることにより、当該自転車駐車場の設置に積極的に協力しなければならない。

(自転車の小売を業とする者の責務)

第七条 自転車の小売を業とする者は、購入者に対し当該自転車に利用者等の住所及び氏名を明記すること、並びに当該自転車について防犯登録を受けることの勧奨に努めるとともに、市長が実施する施策に協力しなければならない。

(自転車利用の自粛)

第八条 自転車の利用者等は、通勤、通学等のため駅への近距離自転車利用を自粛するように努めなければならない。

(放置禁止区域の指定)

第九条 市長は、市民の良好な生活環境を保持するため必要があると認められる公共の場所を自転車放置禁止区域(以下「放置禁止区域」という。)として指定することができる。

2 市長は、放置禁止区域を指定するときは、あらかじめ第十四条に定める川越市放置自転車対策審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、放置禁止区域を指定したときは、その旨を告示するとともに、規則で定めるところにより放置禁止区域である旨の標識を設置しなければならない。

4 前二項の規定は、放置禁止区域を変更し、又は解除する場合について準用する。

(自転車放置に対する措置)

第十条 市長は、放置禁止区域に自転車が放置されているときは、当該自転車の利用者等に対し、当該自転車を自転車駐車場その他適切な場所に移動するよう命ずることができる。

2 市長は、前項の規定による命令を講じた後においてもなお放置されている自転車については、当該自転車を撤去することができる。

3 市長は、放置禁止区域外の公共の場所に自転車が大量に放置され市民の良好な生活環境が阻害されていると認めるときは、当該自転車の利用者等に対し、規則で定める期間、当該自転車を自転車駐車場その他適切な場所に移動するよう広報、警告等の必要な措置を講ずることができる。

4 市長は、前項の規定による措置を講じた後においてもなお放置されている自転車については、当該自転車を撤去することができる。

5 市長は、第二項又は前項の規定に基づき放置自転車を撤去したときは、当該自転車を保管し、その旨を告示するものとする。

(保管した自転車の措置)

第十一条 市長は、前条第五項の規定に基づき保管した自転車について、当該自転車の利用者等の確認に努めるとともに、利用者等が確認できた自転車については、当該自転車を速やかに引き取るように通知しなければならない。

2 市長は、利用者等が確認できない保管自転車については、規則で定めるところにより告示しなければならない。

3 市長は、前二項の規定による措置を講じた後においてもなお利用者等が引き取らない保管自転車については、規則で定める期間経過後、法令の規定に基づき必要な措置を講ずることができる。

(費用の徴収)

第十二条 市長は、第十条第二項又は第四項の規定により撤去した自転車を引き渡す際に、撤去及び保管に要した費用として、一台につき千円を当該利用者等から徴収することができる。

(証票の携帯等)

第十三条 市長から第十条の規定に基づく権限を行使するよう命ぜられた職員は、その身分を示す腕章を着用するとともに、証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(審議会の設置)

第十四条 市長の諮問に応じ、自転車の放置防止のための総合的な対策に関する事項及び放置禁止区域の指定、変更又は解除に関する事項を審議するため、川越市放置自転車対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、委員二十人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

 住民の代表者

 関係機関の代表者

 学識経験者

3 前項に規定する委員のほか、放置禁止区域として指定、変更又は解除しようとする地域の関係者のうちから五人以内の臨時委員を置くことができる。

4 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 臨時委員の任期は、委嘱の日から当該放置禁止区域の指定、変更又は解除に関する事項の審議が終了した日までとする。

(委任)

第十五条 この条例の施行に関し、必要な事項は市長が定める。

1 この条例は、昭和六十二年六月一日から施行する。ただし、第十四条及び附則第二項の規定は、昭和六十二年四月一日から施行する。

2 特別職の職員で非常勤の者の報酬に関する条例(昭和四十三年条例第三号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

川越市自転車放置防止条例

昭和62年3月28日 条例第1号

(昭和62年3月28日施行)