名称 |
沼口門樋 |
よみ |
ぬまぐちもんぴ |
種別 |
有形文化財・建造物 |
員数 |
1基 |
所在地 |
大字古谷上地内 |
指定年月日 |
平成27年3月25日 |
所有者 |
荒川右岸用排水土地改良区 |
文化財の概要 |
建設年:明治38年(1905) 伊佐沼の東側数十メートルの八幡川(笹原排水)に設けられた制水施設で、伊佐沼からの余水を通常は堰板を使用せず排水させるものであったが、用水需要期には堰板により仕切り、伊佐沼の水位を一定の標高まで貯水させる機能を持っていた。このことで、他の用水へ水が引き入れられることとなった。なお、用水需要期が終了すれば堰板をはずし元の排水専用とするものであった。現在は制水施設としての役目を終え、かつての面影を伝えるのみとなっている。 外観は、伊佐沼からの川の流れを集める煉瓦造の翼壁と所の仕切弁を開閉するための3本の堰柱、そして巻き上げ装置を支える笠木で構成されたシンプルな構造である。材料としての特徴は、堰柱と笠木などは石材(凝灰岩と花崗岩)、側壁と翼壁はイギリス積の煉瓦を採用し、木製の仕切弁(堰板)を巻き上げる装置や石材を繋ぐボルト接合で使用された鉄材など、近代の息吹を今日まで伝えてくれる貴重な文化遺産といえる。 以上のように、沼口門樋は、簡素で合理的な近代土木遺産の特徴を顕著にあらわすものであり、市指定文化財としての価値を十分備えていると考えられる。 |