このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
川越市
  • 音声読み上げ・文字拡大
  • Foreign Language
  • サイトマップ
  • 安全・安心
  • くらし
  • 子育て・教育
  • 健康・福祉
  • 市政
  • 観光
サイトメニューここまで

本文ここから

川越城跡第17次調査概報(中間報告)

最終更新日:2020年8月6日

調査地番

川越市元町1-3-1の一部

調査期間

平成14年4月1日から同年9月13日

調査面積

753平行メートル

調査原因

川越市庁舎分室(仮称)建設のため

川越城は下総古河に本拠を置いた古河公方足利氏に対抗するため、長禄元年(1457)に扇谷上杉持朝が家臣の太田道真・道灌父子に命じて築かせたと言われています。その後、勢力を伸ばした後北条氏が、天文6年(1537)上杉氏から川越城を奪いました。後北条氏の支配は、天正18年(1590)豊臣秀吉によって滅ぼされるまで続きました。替わって徳川家康が関東を支配すると、川越城主には酒井氏が入り、その後江戸時代前期に城主となった松平信綱が川越城の修築工事を行い、大きく拡張されました。信綱によって改められた縄張りはその後は大きく変わることなく幕末まで維持され、現在の"県指定史跡川越城跡"の範囲はこれに該当します。
今回の発掘調査地点は、西大手門を入ってすぐ左手(北側)に当たります。この場所は、現存する江戸時代の川越城図や文書では「田中」「柳沢」「蟻川」「白井」といった家臣たちの名が記されています。いずれも家老クラスの重臣で、ここが上級武士の屋敷地として使い続けられたことを示しています。廃藩後は、明治以降入間郡役所、埼玉県土木事務所等を経て現在に至っています。
今回の調査では中世末期から幕末までの遺構が検出されていますが、特に中世末期から江戸時代前期の遺構が中心となっています。現在までに検出された主な遺構及び出土遺物は以下のとおりです。

幕末

・廃棄土坑(京焼の陶工、帯山与兵衛作の花瓶が出土しました。これは元町2丁目遺跡でも出土しています。他に肥前・瀬戸の磁器、瀬戸陶器等)

江戸時代中期以降

・建物跡、井戸跡(肥前磁器、瀬戸陶器、瓦等)

江戸時代前期

・土塁・土坑(肥前磁器碗、瀬戸陶器等)

江戸時代初期

・竪穴状遺構(肥前・瀬戸陶器皿、天目茶碗、すり鉢、舶載磁器、かわらけ等)

中世末期

・堀跡・掘立柱建物跡・方形竪穴建物跡・井戸跡(瀬戸すり鉢、常滑甕、舶載磁器、かわらけ等)

現況地表面から約80cm程下にロームを敷いた層があり、この層は17世紀前期の遺物を出土しており、松平信綱による川越城拡張工事の際の整地と考えられます。ロームは厚い部分で30cmを越え、造成工事が大規模であったことを伺わせます。この整地面上には建物の礎石が検出されていますが、その規模は不明です。
また、調査区西側にはロームを積んだ土塁跡が検出されました。この土塁跡は絵図とほぼ同位置にかなり正確に検出されています。この土塁もほぼ同時期のものと思われます。ロームの整地面の下には暗褐色土を挟んで硬化面が検出されました。この面は出土遺物から17世紀初期、江戸時代のごく初め頃と判断され、信綱による造成以前の堀田氏あるいは酒井氏時代の整地面もしくは地表面と考えられます。この硬化面の下にある暗褐色土の層からは天目茶碗の破片が多く出土しており、この地の住人が茶を嗜んでいたことが想像されます。他に中国から輸入された染付が少なからず出土しており注目されます。この層の下からは中世末期の堀跡、井戸跡、掘立柱建物跡が検出されました。注目されるのは堀跡で、上幅4.5m、深さ2mで断面形は底が平らなV字形です。この堀は江戸時代の絵図には描かれていません。また発掘調査からも信綱による整地以前にこの堀が完全に埋まっていたことが明らかで、江戸時代初頭には既にその機能を停止していたと考えられます。しかし、この堀が中世の川越城のものであるかどうかは明らかではありません。
現在の調査箇所が終了すると、これらは埋め戻されて後半は南側の箇所を調査します。ここからは南側に伸びる土塁跡と、その下から前半の調査同様に中世後期から近世初頭の遺構が多数検出されることが想定されます。(平成14年6月現在)

出土品(かわらけ)
かわらけ

お問い合わせ

文化財保護課 史跡担当
〒350-8601 川越市元町1丁目3番地1
電話番号:049-224-6097(直通)
ファクス:049-224-5086

このページの作成担当にメールを送る

本文ここまで


以下フッターです。

川越市役所

〒350-8601 埼玉県川越市元町1丁目3番地1
電話:049-224-8811(代表) ファクス:049-225-2171(代表FAX番号)
(C)2015 Kawagoe City All Rights Reserved
フッターここまでこのページのトップに戻る