小泉智英 《竹林四季》
最終更新日:2015年8月23日
制作年 1990年(平成2年)(右隻)、1991年(平成3年)(左隻)
素材 紙本彩色
寸法 各180.0cm×360.0cm
初出展覧会 第5回晴々会展(1990年)(右隻)、第6回晴々会展(1991年)(左隻)
竹林の四季を4曲1双の屏風に描きだす。右側の1隻に春(竹霞)と夏(竹洩れ日)を、左側の1隻に秋(竹時雨)と冬(竹雪譜)を描く。春の竹は風にそよぎ、右端をみると霞が描かれている。また筍もあちらこちらに見受けられ、春本番をうかがわせる。夏の竹は春よりも色濃くなり、またたくましい。筍もすっかり成長して大きくなっている。斜面にはえた秋の竹林は時雨のためにかすんでいる。また竹の間には紅葉した小木が描かれおり、秋の気配を高める。冬の竹林には雪が降り、地面だけでなく竹の葉や節にも雪がある。
竹は吉祥をあらわすこところから、日本でも古くから描かれている主題である。そしてその四季を描き出すことは、水墨画をはじめしばしばなされている。小泉智英のこの作品は古くからあるこのテーマを、色彩をもって現代的に描き出そうとしたものである。
(「アート情報」(館内閲覧システム)2002年公開 より)