更新日:2015年1月3日
大正から昭和にかけて活躍した版画家・川瀬巴水(かわせ はすい・1883-1957)は、東京市芝区(現在の港区新橋)に生まれました。幼い頃から絵を好み、画家の道を志しますが、本格的な修業の開始は遅く、日本画家・鏑木清方に入門を果したときには、すでに27歳になっていました。
大正7(1918)年、同門の伊東深水の連作《近江八景》を見て、木版画の魅力にめざめた巴水は、その作品の版元である渡邊庄三郎と組み、栃木県塩原に取材した三部作を発表。以後旅に出てはスケッチをし、東京に戻っては版画をつくるという暮らしを続け、600点をこえる風景木版画を生み出しました。
巴水の旅は日本全国に及びました。名所旧跡も選びましたが、多くはかつて日本のどこにでもあった風景です。旅の印象を抒情的に描くその作風から、「昭和の広重」とも称えられています。
本展では、木版作品のほか写生帖や原画となる水彩画をあわせて展示し、巴水の旅先での足取りや版画制作の過程にもスポットをあてます。今やどこにも存在しない、しかし懐かしい風景と出会う「日本再発見」の旅をどうぞお楽しみください。
《金沢下本多町 旅みやげ第二集》大正10年(1921)
渡邊木版美術画舗蔵
《芝増上寺 東京二十景》大正14年(1925)
渡邊木版美術画舗蔵
7月19日(土曜)から9月7日(日曜)
月曜日(7月21は開館)、7月22日(火曜)
一般 600円(480円)
大学生・高校生 300円(240円)
中学生以下 無料
7月27日(日曜)、 8月23日(土曜)
両日 午前10時30分から午後0時30分、午後2時から4時
摺師:渡辺英次さん(渡邊木版美術画舗摺師)
解説:渡邊章一郎さん(渡邊木版美術画舗代表取締役 国際浮世絵学会常任理事)
8月2日(土曜)、 8月30日(土曜)(手話通訳付き)
いずれも午後2時から(40分程度)
川越市立美術館、NHKサービスセンター
渡邊木版美術画舗
ギャラリーヌーベル
川越市立美術館
〒350-0053 川越市郭町2丁目30番地1
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