○川越市地区街づくり推進条例

平成二十五年九月二十七日

条例第三十二号

(目的)

第一条 この条例は、地区街づくりに関し、市民、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、地区街づくり計画の認定、街づくり重点地区の指定その他地区街づくりの推進について必要な事項を定めることにより、市民、事業者及び市が協働して行う地区街づくりの推進を図り、もって地区の特性を生かした個性的で魅力ある街の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 地区街づくり 市内の特定の地区において行われる当該地区の特性を生かしたまちづくりに関する活動であって次に掲げるものをいう。

 適正かつ合理的な土地利用の促進を図るもの

 良好な景観の形成又は風致の維持若しくは向上を図るもの

 地区の防災、安全、衛生その他の生活環境に関する機能の保持又は増進を図るもの

 公園、広場、街灯、植栽等の整備及び管理その他の地区住民等又は来訪者の利便の増進を図るもの

 土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第二条第一項に規定する土地区画整理事業をいう。第八条第二項第五号ホにおいて同じ。)、市街地再開発事業(都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第二条第一号に規定する市街地再開発事業をいう。第八条第二項第五号ホにおいて同じ。)その他の市街地の整備改善を図るもの

 地区住民等 地区内の居住者、地区内で事業を営む者及び地区内の土地又は建物の所有者をいう。

 建築行為等 建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいう。以下この号において同じ。)若しくは工作物(建築物を除く。以下この号において同じ。)の新築、増築、改築若しくは移転又は建築物若しくは工作物の過半について行う修繕、模様替若しくは色彩の変更、都市計画法(昭和四十三年法律第百号。以下「法」という。)第四条第十二項に規定する開発行為その他規則で定める行為をいう。

 公共施設 道路、公園、下水道その他規則で定める公共の用に供する施設をいう。

(市民の責務)

第三条 市民は、自らが主体的に地区街づくりに取り組むことの重要性に関する理解を深め、市民相互の協力により、地区街づくりに積極的に取り組むよう努めるものとする。

2 市民は、市が実施する地区街づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、その事業活動に関し、市民による地区街づくりを尊重するとともに、地区街づくりに積極的に取り組むよう努めるものとする。

2 事業者は、市が実施する地区街づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市の責務)

第五条 市は、地区街づくりの推進に関する施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、前項の施策を策定し、及び実施するに当たっては、市民の意見を反映させるよう努めるものとする。

(地区街づくり協議会の登録等)

第六条 地区街づくりを推進しようとする者は、地区街づくりを行うための団体を組織し、地区街づくり協議会(以下「協議会」という。)として市長の登録を受けることができる。

2 前項の登録を受けようとする者は、規則で定める事項を記載した申請書を市長に提出しなければならない。

3 市長は、前項の規定による登録の申請が、次に掲げる要件のいずれにも適合すると認めるときは、その登録をするものとする。

 協議会が、地区街づくりの推進を目的として組織されたものであること。

 協議会が、地区住民等で構成されていること。

 その他規則で定める要件に適合していること。

4 市長は、協議会が前項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録を取り消すものとする。

5 市長は、地区街づくりの円滑な推進を図るため必要があると認めるときは、協議会に対し、その活動状況について報告又は説明を求めることができる。

(協議会に対する援助)

第七条 市長は、協議会に対し、その活動に必要な情報の提供、助言、専門家の派遣その他の援助を行うことができる。

(地区街づくり計画の認定)

第八条 協議会は、地区街づくりの推進に関する計画(以下「地区街づくり計画」という。)を作成し、市長の認定を申請することができる。

2 地区街づくり計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 地区街づくり計画の名称

 地区街づくり計画の地区の位置、区域及び区域の面積

 地区街づくり計画の目標

 地区街づくり計画の期間

 次に掲げる事項のうち、第三号の目標を達成するために必要なもの

 適正かつ合理的な土地利用の促進に関する事項

 良好な景観の形成又は風致の維持若しくは向上に関する事項

 地区の防災、安全、衛生その他の生活環境に関する機能の保持又は増進に関する事項

 公園、広場、街灯、植栽等の整備及び管理その他の地区住民等又は来訪者の利便の増進に関する事項

 土地区画整理事業、市街地再開発事業その他の市街地の整備改善に関する事項

 その他地区街づくり計画の目標を達成するために必要な事項

3 前項第五号イからまでに掲げる事項には、地区街づくりルール(地区街づくり計画の地区の区域(以下「計画区域」という。)内の地区住民等及び当該計画区域内において建築行為等を行おうとする者が当該事項に関し守るべき基準をいう。以下同じ。)を記載することができる。

4 市長は、第一項の規定による認定の申請があった地区街づくり計画が次に掲げる要件のいずれにも適合すると認めるときは、その認定をするものとする。

 川越市総合計画、川越市都市計画マスタープラン(法第十八条の二第一項の規定により定めた本市の都市計画に関する基本的な方針をいう。以下「マスタープラン」という。)その他の市のまちづくりに関する方針に適合していること。

 計画区域内の地区住民等の規則で定める数以上の同意を得ていること。

 周辺環境との調和に配慮されていること。

 専ら特定の者に利害を及ぼすものでないこと。

 その他規則で定める要件に適合していること。

5 市長は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、川越市都市計画審議会条例(平成十二年条例第十二号)第一条の規定により置かれた川越市都市計画審議会(以下「都市計画審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

6 市長は、第四項の認定をしたときは、速やかに、当該協議会に通知するとともに当該認定に係る協議会(以下「認定協議会」という。)の名称、当該認定を受けた地区街づくり計画(以下「認定計画」という。)その他規則で定める事項を告示しなければならない。

(認定計画の変更)

第九条 認定協議会は、認定計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、市長の認定を受けなければならない。

2 前条第四項から第六項までの規定は、前項の変更について準用する。

(認定計画の内容等に関する情報の提供)

第十条 市長は、認定計画の区域内において建築行為等を行おうとする者に対し、当該認定計画の内容その他地区街づくりに関する情報の提供に努めるものとする。

(地区街づくりルールへの適合に係る協議)

第十一条 認定協議会(認定計画に地区街づくりルールを定めたものに限る。)は、当該計画区域内の地区住民等又は当該計画区域内において建築行為等を行おうとする者に対し、規則で定めるところにより、その建築行為等その他の行為が当該地区街づくりルールに適合するようとるべき措置について協議を求めることができる。

2 認定協議会は、市長に対し、前項の協議が円滑に行われるよう、専門家の派遣その他必要な協力を要請することができる。

(届出対象区域の指定等)

第十二条 市長は、地区街づくりの推進のため必要があると認めるときは、地区街づくりルールが定められた認定計画の計画区域の全部又は一部を、届出対象区域(次条第一項の規定により建築行為等に係る届出を行わなければならない区域をいう。以下同じ。)として指定することができる。

2 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、当該認定計画に定められた地区街づくりルールを参酌して、建築行為等の制限に関する基準(以下「基準」という。)を定めなければならない。

3 市長は、第一項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、その旨を告示し、当該指定に係る届出対象区域及び基準の案(次項において「指定案」という。)を当該告示の日の翌日から起算して二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前項の規定による告示があったときは、当該計画区域内の地区住民等及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された当該指定案について、市長に意見書を提出することができる。

5 市長は、第一項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、都市計画審議会の意見を聴かなければならない。

6 第一項の規定による指定は、当該指定に係る届出対象区域及び基準を告示することにより行うものとする。

7 第二項から前項までの規定は、届出対象区域の変更又は廃止について準用する。

(届出対象区域内における建築行為等に係る届出等)

第十三条 届出対象区域内において建築行為等を行おうとする者は、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの

 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

 国又は地方公共団体が行う行為

2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出の内容が基準に適合しないと認めたときは、当該届出をした者に対し、必要な勧告をすることができる。

3 前二項の規定は、第一項の規定により届け出た事項に変更が生じた場合について準用する。

(都市計画等における配慮)

第十四条 市長は、都市計画(法第四条第一項に規定する都市計画をいう。)及びマスタープランの策定及び見直しの過程において、認定計画に基づく地区街づくりが円滑に実施されるよう配慮するものとする。

(街づくり重点地区の指定等)

第十五条 市長は、重点的に地区街づくりの推進に関する施策を講ずる必要があると認められる地区を街づくり重点地区(以下「重点地区」という。)として指定し、当該重点地区の整備の方針(以下「地区整備方針」という。)を定めることができる。

2 地区整備方針には、次に掲げる事項のうち必要なものを定めるものとする。

 重点地区の名称及び区域

 適正かつ合理的な土地利用の促進に関する事項

 基幹的な公共施設の整備その他の市街地の整備に関する事項

 工場、流通業務施設、研究開発施設、医療施設、教育施設その他の都市生活及び都市活動の拠点となる施設の立地の促進に関する事項

 川越市における建築物に附置すべき駐車施設に関する条例(昭和四十九年条例第二十三号。以下この号及び次条において「附置駐車施設条例」という。)第三条の施行区域内の区域であって、当該区域における駐車施設(附置駐車施設条例第二条第二項第一号の駐車施設をいう。)を建築物又は建築物の敷地以外の場所に設置できるもの(次条において「附置駐車施設特例区域」という。)の位置に関する事項

3 地区整備方針は、川越市総合計画及びマスタープランに即したものでなければならない。

4 市長は、重点地区を指定し、当該重点地区の地区整備方針を定めようとするときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、あらかじめ、都市計画審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、第一項の規定により、重点地区を指定し、当該重点地区の地区整備方針を定めたときは、遅滞なく、当該重点地区の区域及び地区整備方針を告示するものとする。

6 前二項の規定は、重点地区又は地区整備方針の変更又は廃止について準用する。

(重点地区の区域内における附置駐車施設条例の特例)

第十六条 地区整備方針に前条第二項第五号に掲げる事項が記載されているときは、当該事項に係る附置駐車施設特例区域内における附置駐車施設条例の適用については、附置駐車施設条例第八条第一項中「市長が特にやむを得ないと認めたときは」とあるのは、「市長が特にやむを得ないと認めたとき、又は当該建築物が附置駐車施設特例区域(川越市地区街づくり推進条例(平成二十五年条例第三十二号)第十五条第二項第五号の附置駐車施設特例区域をいう。)にあり、駐車施設を建築物又は建築物の敷地以外の場所に設置することにより、当該附置駐車施設特例区域内の適正かつ合理的な土地利用が促進されるものと市長が認めたときは」とする。

(地区街づくり推進法人の指定)

第十七条 市長は、重点地区における地区整備方針の内容を適切に理解し、地区住民等及び市と協働して地区街づくりを推進しようとする法人であって、次条第一項各号に掲げる業務(以下「地区街づくり推進業務」という。)に関し、次に掲げる要件のいずれにも適合すると認められるものを、その申請により、重点地区ごとに地区街づくり推進法人(以下「推進法人」という。)として指定することができる。

 地区街づくり推進業務を的確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。

 重点地区の区域内の土地又は建物の所有者の規則で定める数以上の同意を得ていること。

 その他規則で定める要件に適合していること。

2 市長は、前項の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、推進法人の指定をしてはならない。

 第十三条第二項の勧告を受けた者であること。

 第十九条第三項の規定により指定を取り消された者であること。

 役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

 第十三条第二項の勧告を受けた法人の役員であった者

 第十九条第三項の規定により指定を取り消された法人の役員であった者

3 市長は、第一項の規定による指定をしたときは、当該推進法人の名称、住所及び事務所の所在地を告示しなければならない。

4 推進法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。

5 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を告示しなければならない。

(推進法人の業務)

第十八条 推進法人は、次に掲げる業務を行うものとする。

 重点地区における地区整備方針について、当該重点地区の区域内の地区住民等の理解と関心を深め、地区街づくりへの参加を促進すること。

 重点地区における協議会による地区街づくり計画の作成その他の協議会の活動を援助すること。

 重点地区の地区整備方針に従って、公共施設の整備その他の市街地の整備改善に関する事業を実施すること。

2 推進法人は、前項第三号に掲げる業務を行う場合には、規則で定めるところにより、市との間で、事業の実施において整備すべき公共施設の水準に関する協定を締結することができる。

(推進法人の監督等)

第十九条 市長は、地区街づくり推進業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該推進法人に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

2 市長は、推進法人が地区街づくり推進業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、推進法人に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

3 市長は、推進法人が前項の規定による命令に違反したときは、第十七条第一項の規定による指定を取り消すものとする。

4 市長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を告示しなければならない。

(地区計画等の素案の提示方法及び意見の提出方法)

第二十条 市長は、法第十六条第二項の規定により、地区計画等の案を作成しようとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項を告示し、地区計画等の案の内容となるべき事項(以下「地区計画等の素案」という。)を当該告示の日の翌日から起算して二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

 地区計画等の素案のうち、種類、名称、位置及び区域

 地区計画等の素案の縦覧場所

2 市長は、地区計画等の案を作成するため必要があると認めるときは、説明会の開催その他の措置を講ずるものとする。

3 法第十六条第二項に規定する者は、第一項の規定により縦覧に供された地区計画等の素案について意見を提出しようとするときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して一週間を経過する日までに、市長に意見書を提出しなければならない。

(都市計画の提案をすることができる団体)

第二十一条 法第二十一条の二第二項に規定する条例で定める団体は、認定協議会及び推進法人とする。

(委任)

第二十二条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。

(川越市地区計画等の案の作成手続に関する条例の廃止)

2 川越市地区計画等の案の作成手続に関する条例(昭和五十七年条例第三十五号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の日(次項において「施行日」という。)前に前項の規定による廃止前の川越市地区計画等の案の作成手続に関する条例(次項において「旧条例」という。)第二条の規定により行われた地区計画等の原案の縦覧は、第二十条第一項の規定により行われた地区計画等の素案の縦覧とみなす。

4 施行日前に旧条例第三条の規定により提出された意見書は、第二十条第三項の規定により提出されたものとみなす。

川越市地区街づくり推進条例

平成25年9月27日 条例第32号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第2章 都市計画・公園
沿革情報
平成25年9月27日 条例第32号