○川越市意見公募手続条例

平成十九年三月二十日

条例第一号

(目的)

第一条 この条例は、意見公募手続に関し必要な事項を定めることにより、市民の市政への参加を推進するとともに、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 意見公募手続 施策等を定めようとする場合において、当該施策等の案(施策等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)について市民から意見(情報を含む。以下同じ。)を求めるための手続をいう。

 執行機関等 市の執行機関、上下水道事業管理者若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律若しくは条例等により独立に権限を行使することを認められたものをいう。

 条例等 市の条例及び市の執行機関の規則(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第二項に規定する規程を含む。以下同じ。)並びに知事の権限に属する事務処理の特例に関する条例(平成十一年埼玉県条例第六十一号)及び埼玉県教育委員会の権限に属する事務処理の特例に関する条例(平成十一年埼玉県条例第七十一号)により本市が処理することとされた事務について規定する埼玉県の条例及び埼玉県の執行機関の規則をいう。

 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

 規則等 執行機関等が定める次に掲げるものをいう。

 市の執行機関の規則(以下「規則」という。)

 審査基準(法令(法律及び法律に基づく命令(告示を含む。)をいう。以下同じ。)又は条例等に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものについて、求められた許認可等をするかどうかをその法令又は条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)

 処分基準(行政庁が、法令又は条例等に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分(以下「不利益処分」という。)をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令又は条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)

 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導(執行機関等がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。以下同じ。)をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ。)

 施策等 執行機関等が定める次に掲げるもの(議会の議決を要するものにあっては、その案)をいう。

 市の基本的な政策又は個別の行政分野における施策に係る基本的な計画、方針等

 市の基本的な施策又は基本的な制度を定める条例

 市民に対し、義務を課し、又はその権利を制限する条例

 規則等

 からまでに掲げるもののほか執行機関等が意見公募手続を行うことについて必要と認めるもの

(適用除外)

第三条 次に掲げる施策等を定める行為については、この条例の規定は、適用しない。

 法令又は他の条例の規定に基づく意見の聴取により定められる施策等

 納付すべき金銭について定める条例

 地方自治法第七十四条第一項の規定に基づき制定又は改廃の請求のあった条例

 条例の施行期日について定める規則

 法律、条例又は規則の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する規則

 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める規則等

 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令若しくは条例等の規定により若しくは慣行として、又は執行機関等の判断により公にされるもの以外のもの

 市の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織について定める規則等

 職員の礼式、服制、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに職員の間における競争試験について定める規則等

 市の予算、決算、会計及び契約について定める規則等(入札の参加者の資格、入札保証金その他の市の契約の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定める規則等を除く。)並びに市の財産及び物品の管理について定める規則等(市が財産及び物品を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定することについて定める規則等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定めるものを除く。)

(意見公募手続)

第四条 執行機関等は、施策等を定めようとする場合には、当該施策等の案及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて市民から意見を求めなければならない。

2 前項の規定により公示する施策等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該施策等の名称及び当該施策等を定める根拠が明示されたものでなければならない。

3 第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。

4 次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。

 公益上、緊急に施策等を定める必要があるため、意見公募手続を実施することが困難であるとき。

 納付すべき金銭について定める法律又は条例の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての規則等その他当該法律又は条例の施行に関し必要な事項を定める規則等を定めようとするとき。

 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める規則等を定めようとするとき。

 法令又は国の機関若しくは他の地方公共団体が定める基準等と実質的に同一の施策等を定めなければならないとき。

 他の執行機関等が意見公募手続を実施して定めた施策等と実質的に同一の施策等を定めようとするとき。

 法律又は条例の規定に基づき法令又は条例の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める規則等を定めようとするとき。

 施策等を定める根拠となる法令又は条例の規定の削除に伴い当然必要とされる当該施策等の廃止をしようとするとき。

 次に掲げるものを内容とする施策等を定めようとするとき。

 法令又は他の条例の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理

 に掲げるもののほか、用語の整理、条、項又は号の繰上げ又は繰下げその他の形式的な変更

(意見の提出)

第五条 次に掲げるものは、前条第一項の規定により公示する施策等の案について意見を提出することができる。

 市内に住所を有する者

 市内に存する事務所又は事業所に勤務する者

 市内に存する学校に在学する者

 前三号に掲げる者のほか、施策等の案に関し利害関係を有するもの

2 意見の提出方法は、次に掲げる方法によるものとする。

 執行機関等が指定する場所への書面の持参又は送付

 ファクシミリ装置を用いた送信

 インターネットの利用による送信

 その他執行機関等が適当と認める方法

3 意見を提出しようとするものは、氏名、住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者又は管理人の氏名)及び連絡先を明らかにしなければならない。

(意見公募手続の特例)

第六条 執行機関等は、施策等を定めようとする場合において、三十日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、第四条第三項の規定にかかわらず、三十日を下回る意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該施策等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。

2 執行機関等は、法律又は条例に基づく附属機関その他これに準ずる機関(以下「附属機関等」という。)の審議等を経て施策等を定めようとする場合において、当該附属機関等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、第四条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。

(意見公募手続の周知等)

第七条 執行機関等は、意見公募手続を実施して施策等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。

(提出意見の考慮)

第八条 執行機関等は、意見公募手続を実施して施策等を定める場合には、意見提出期間内に当該執行機関等に対し提出された当該施策等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。

(結果の公示等)

第九条 執行機関等は、意見公募手続を実施して施策等を定めた場合には、当該施策等の公布(公布をしないものにあっては公にする行為を、議会の議決を要するものにあっては議案の提出をいう。以下同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。

 施策等の名称

 施策等の案の公示の日

 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)

 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した施策等の案と定めた施策等との差異を含む。)及びその理由

2 執行機関等は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該執行機関等の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。

3 執行機関等は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。

4 執行機関等は、意見公募手続を実施したにもかかわらず施策等を定めないこととした場合には、その旨(別の施策等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。

5 執行機関等は、第四条第四項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで施策等を定めた場合には、当該施策等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち施策等の趣旨については、同項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該施策等自体から明らかでないときに限る。

 施策等の名称及び趣旨

 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由

(準用)

第十条 第八条の規定は第六条第二項に該当することにより執行機関等が自ら意見公募手続を実施しないで施策等を定める場合について、前条第一項から第三項までの規定は第六条第二項に該当することにより執行機関等が自ら意見公募手続を実施しないで施策等を定めた場合について、前条第四項の規定は第六条第二項に該当することにより執行機関等が自ら意見公募手続を実施しないで施策等を定めないこととした場合について準用する。この場合において、第八条中「当該執行機関等」とあるのは「附属機関等」と、前条第一項第二号中「施策等の案の公示の日」とあるのは「附属機関等が施策等の案について公示に準じた手続を実施した日」と、同項第四号中「意見公募手続を実施した」とあるのは「附属機関等が意見公募手続に準じた手続を実施した」と読み替えるものとする。

(公示の方法)

第十一条 第四条第一項並びに第九条第一項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)第四項(前条において準用する場合を含む。)及び第五項の規定による公示は、執行機関等が指定する場所での閲覧、インターネットの利用その他執行機関等が定める方法により行うものとする。

(実施状況の公表)

第十二条 市長は、毎年度、意見公募手続の実施状況を市が発行する広報紙又はインターネットの利用により公表するものとする。

(委任)

第十三条 この条例の施行に関し必要な事項は、執行機関等が定める。

1 この条例は、平成十九年七月一日から施行する。

2 川越市行政手続条例(平成九年条例第三号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

川越市意見公募手続条例

平成19年3月20日 条例第1号

(平成19年7月1日施行)